知念かおりプロフィール
時本壱(ときもとはじめ)八段門下。 平成5年入段、8年二段、9年三段。 7年第14期女流本因坊戦挑戦。 9年第16期女流本因坊位獲得、10年防衛、11年三連覇。 12年から4年女流棋聖。 11年度棋道賞女流賞。 楊嘉源九段夫人。
共同通信社主催・女流本因坊に続き、NTTドコモ主催・女流棋聖戦で見事タイトルを獲得しました。
知念さんは、このドコモ杯・女流棋聖戦では、なんと2000年からの2005年までの間に、4連覇を含め5度の優勝を飾っています。向かうところ敵なし。おめでとうございます!
NTTドコモ杯・女流棋聖就位式
知念さんの地元・宮古島でも、ご家族や関係者らが
今回の2冠達成で大盛り上がりのようです。
第2回の「ほんとうのスクスクのっぽくん」に登場して頂いた棋士・知念かおりさんが、囲碁の女子プロ界最高峰である共同通信社主催・女流本因坊のタイトルを獲得しました。5期ぶりの女王帰り咲きですが、長女の玲佳ちゃん(7)をはじめとする3人の小さなお子様を育てながらのこの快挙は、素晴らしいの一言です。
本当におめでとうございました!!
囲碁における女流プロ界は、数年前に世代交代の波が押し寄せ、次々とニューヒロインが誕生し、戦国時代の感がありました。
そして若手女流プロの実力は年々高まり、いまや有力なプロ選手の一角を堂々と占めていますが、その中心にいるといっても過言ではないのが、知念かおり3段と、小林泉美6段のお二人です。
女流タイトル戦はいくつかありますが、その中でも注目を集めるのが女流本因坊戦(ほんいんぼう)。
その女流本因坊戦で、知念かおり3段は、1997~1999年間3連覇を果たしましたが、一方新鋭の小林泉美6段も、2000~2003年を3連覇している実力者です。
2004年の女流本因坊戦も、この2人の闘いになりました。
小林泉美6段の読みの鋭さに対して知念かおり3段の力強さの対照的な対決。
この激しい戦いを見事に制したのが、知念かおり3段でした。
<2005年1月21日(金)千代田区丸の内・東京會舘本館にて>
知念さんは、実力はもちろんのこと、その人柄の良さで多くのファンのハートをつかんでいます。女流本因坊就位パーティにも、取材陣を含めた多くの方が駆けつけていました。
「3人の子供をディズニーランドに連れていく約束を果たせてよかった」と、なんとも人柄のあらわれるスピーチで締めくくった知念さん。
今後も、ご活躍を期待しております!
<歴代女流本因坊優勝者>
期 優勝者 相 手
1 本田幸子六段 2-1 小林禮子六段
2 楠 光子六段 2-1 本田幸子六段
3 本田幸子六段 2-0 楠 光子七段
4 楠 光子七段 2-1 本田幸子六段
5 小川誠子四段 2-0 楠 光子七段
6 楠 光子七段 2-1 小川誠子四段
7 楠 光子七段 2-0 小川誠子四段
8 楠 光子七段 2-0 小川誠子四段
9 中澤彩子初段 2-1 楠 光子七段
10 中澤彩子二段 2-1 小林千寿五段
11 加藤朋子初段 2-0 中澤彩子二段
12 吉田美香六段 2-1 加藤朋子三段
13 吉田美香六段 2-0 佃亜紀子初段
14 吉田美香六段 3-1 知念かおり初段
15 吉田美香六段 3-0 中澤彩子四段
16 知念かおり三段 3-1 吉田美香六段
17 知念かおり三段 3-0 加藤朋子四段
18 知念かおり三段 3-1 小林泉美四段
19 祷 陽子五段 3-2 知念かおり三段
20 小林泉美五段 3-1 祷 陽子五段
21 小林泉美五段 3-2 知念かおり三段
22 小林泉美五段 3-1 矢代久美子五段
23 知念かおり三段 3-1 小林泉美五段
※14期より五番勝負
※囲碁は、多くの選択肢の中から、相手の裏をかいて碁石を置いていく競技です。とても頭を使います。しかも楽しみながら頭を柔軟にできますので、小さなお子さんには最適ですよ!これを機会に、お子さんと始めてみてはいかがですか?
以後は囲碁で。(笑)
知念さん監修の入門書はこちら
第2回目の「本当のスクスクのっぽくん」は、南の島で伸び伸びと育った天才囲碁棋士、知念かおりさん。
時本壱(ときもとはじめ)八段門下。 平成5年入段、8年二段、9年三段。 7年第14期女流本因坊戦挑戦。 9年第16期女流本因坊位獲得、10年防衛、11年三連覇。 12年から4年女流棋聖。 11年度棋道賞女流賞。 楊嘉源九段夫人。
●沖縄・宮古島出身(平良市)
●30歳(7月28日 Happy Birthday!!)
●5人姉妹の3番目。(次女) ●身長:155cm
泣く子も黙る美人女流棋士の知念かおりさん。
女流棋士の最高峰である女流本因坊(ほんいんぼう)というタイトルを3連覇した実力とその美貌は、まさに今の日本囲碁界を支えていらっしゃいます。
しかし、その卓越した実力からは想像できない謙虚な人柄には、お会いしてびっくりさせられました。
「どんなに嫌なことがあっても前向きに笑顔を絶やさない人になるようにと母親からいつも言われていた」とおっしゃる通り、とても爽やかな笑顔から素晴らしい人間性が伝わってくるんです。
3人のお子さんを持つ母として、また日本を代表する囲碁棋士として、どんな生活を送っていらっしゃるのか、そして知念さんがこれまで育ってこられた家庭や様々な生活環境などについて、愛娘の玲佳ちゃんを交えて楽しく語っていただきました。
(取材日:平成16年7月26日)
- のっぽくん
- 普段はどういう生活を送っているんですか?
- 知念さん
今は、週に一回のペースで教えています。
サンシャインの囲碁サロンで教えたり、夏休みのイベントなどで子供たちに教えたりしていますね。
- のっぽくん
- 最近は囲碁をする子どもたちも増えてきたんじゃないですか?
- 知念さん
そうですね。
「ヒカルの碁」などの影響で、多くの子供たちが囲碁に興味を持つようになりました。もっと多くの子供たちに囲碁を知ってもらえれば嬉しいです。
- のっぽくん
- 最近は囲碁をする子どもたちも増えてきたんじゃないですか?
- 知念さん
そうですね。
「ヒカルの碁」などの影響で、多くの子供たちが囲碁に興味を持つようになりました。もっと多くの子供たちに囲碁を知ってもらえれば嬉しいです。
- のっぽくん
- 最近は囲碁をする子どもたちも増えてきたんじゃないですか本当にそうですね。今は知育という言葉がありますが、囲碁は右脳左脳を鍛えるという意味においては、究極のゲームの一つだということを聞いたことがあります。是非、頭がよく感性が高い子供たちを増やしてください。練習はどうされてるんですか?
- 知念さん
どんどん新しい打ち方が出てくるので、絶えず棋譜ログ(過去に打った記録)を見て勉強しています。
- のっぽくん
- それは記録を憶えていくということですか?
- 知念さん
いえ。確かにそういう要素もありますが、人の考え方を知るという作業でもあるんですよ。
- のっぽくん
- なるほど、深いですね。やっている人しか分からないコミュニケーションツールでもあるんですね。お子さんが3人もいらっしゃると大変ではないですか?
- 知念さん
そうですね。 でも、玲佳(6歳)は小学校に入りましたし、下の2人は保育園に入っているので、勉強をする時間はとれます。 でも、今は夏休みなので、玲佳が毎日家にいて大変ですね。(笑)玲佳ちゃん 「いえぇーーーい!!」
- のっぽくん
- なるほど、深いですね。やっている人しか分からないコミュニケーションツールでもあるんですね。お子さんが3人もいらっしゃると大変ではないですか?
- 知念さん
そうですね。 でも、玲佳(6歳)は小学校に入りましたし、下の2人は保育園に入っているので、勉強をする時間はとれます。 でも、今は夏休みなので、玲佳が毎日家にいて大変ですね。(笑)玲佳ちゃん 「いえぇーーーい!!」本当に元気で快活な娘さんなのです。この後、ジュースを与えて大人しくなってもらいました。(笑))
- のっぽくん
- 試合はどのくらいあるんですか?
- 知念さん
今は、週に一回くらいですかね。 今週の木曜日にも試合があります。
- のっぽくん
- えっ!大丈夫ですか?このインタビューが原因で負けたなんてことには・・
- 知念さん
いえ。(笑) 試合前に詰め込んでも、一緒ですので。 よく試合の前日に買い物に行ったりしてますよ。
- のっぽくん
- さ、さすがです。。 やっぱり右脳左脳の両方使うゲームなので、気晴らしというか感性を鈍らせないための作業も必要なんですね。 木曜日は負けないでください。
- 知念さん
(笑)
- のっぽくん
- noppo 囲碁の試合は、長いときは10時間にも及びますよね。 そこまでいくと、技術の問題というよりも精神力が大きな影響を及ぼすと思うのですが、その集中力を保つ秘訣は何なのですか?
- 知念さん
最近は、持ち時間3時間づつの計6時間で終わることが多いです。 その6時間の中でも、いろんな山があって、やっぱり終盤になるとグッと集中します。 でも、序盤は結構「お昼何食べようかな~」なんて考えたりしてるんですよ。(笑)
- のっぽくん
- (笑)えっ!?あんな真剣な顔して、そんなこと考えてるんですか!?
- 知念さん
序盤は、結構。(笑) でも、精神力という意味では、子供を生んでから随分変わりましたね。
- のっぽくん
- どんな風に変りましたか?
- 知念さん
我慢強くなりました。 以前は、少々無理な感じでもどんどん闘っていく囲碁でしたが、子供を生んでからは、客観的になったというか、多少のことでは動じない棋風になりましたね。
- のっぽくん
- 子供を生むという作業は、人が生きていく中で最も大切で尊い作業ですから、それだけの影響力があるんですね。 小さい頃は、どんな生活を送っていたんですか?
- 知念さん
ワンパクでしたね。 ドロケーや縄跳びなんかをよくやってましたし、足は速かったです。 逃げ足は。(笑) 100m走の選手として選ばれたりしてました。
- のっぽくん
- 宮古島といえば綺麗な海ですが、よく海で泳いだりしてたんですか?
- 知念さん
いえ、泳げないんです。(笑)
- のっぽくん
- えっ!?(笑)宮古島人らしくないですね~。
- 知念さん
まだ幼いときに、一度溺れそうになったことがあって、それ以来だめです。
- のっぽくん
- 小さい頃は、よく寝ていましたか?
- 知念さん
よく寝てましたね。 ぐっすり、どこでも寝れる子でした。(笑) 大人になってから、試合の前はあまり眠れないことが多かったんですが、出産を経験した後は、結構寝れてますね。(笑)
- のっぽくん
- やっぱり、多少のことでは動じなくなったんですね。(笑) 食事はよく食べていましたか?好き嫌いはありますか?
- 知念さん
よく食べましたよ。 今は大丈夫ですが、子供の頃はゴーヤが嫌いでした。
- のっぽくん
- またまた宮古島人らしくないですね~。(笑)
- 知念さん
(笑) あと、これも今は大丈夫ですが、うなぎが嫌いでしたね。 好きなのは、煮物。 魚が好きです。 小さい頃は、全部食べるまで食卓に残されるんですが、嫌いなものがでると、口の中に全部入れ込んで、台所に直行するんです。(笑)
- のっぽくん
- 結局は食べてないんですね。(笑)
- 知念さん
玲佳ちゃん 玲佳はエビとホタテが嫌いーっ!! 魚とスパゲティーが好きーっ!! (またまた玲佳ちゃん登場。本当に元気で快活な娘さんなのです。)
- のっぽくん
- 運動はどのくらいしてましたか?
- 知念さん
大好きでした。 走ったり、走り幅跳びや走り高跳びをよくやってました。 姉妹が5人いるんですが、年も近いのでよくみんなで遊んでましたね。
- のっぽくん
- 大きな病気をしたことはありますか?
- 知念さん
盲腸くらいですかね。(笑)
- のっぽくん
- 身長は、いつ頃よく伸びましたか?
- 知念さん
小学校高学年で結構伸びて、中学校からはあまり変ってません。(笑)
- のっぽくん
- 栄養満点のゴーヤを食べないから・・(笑) でも、ご両親の愛情をたっぷり受けて、中学生にして自分の道を決めてしまうという、ある意味精神性の部分での成長が素晴らしいと思います。 いつから囲碁を始めたんですか?
- 知念さん
小学校2年の時ですかね。 父の影響で、姉と兄との3人でよくやってました。 そろばんもそのときに始めて、中学校3年までやってました。
- のっぽくん
- 私はそろばん1級持ってますが、知念さんは?
- 知念さん
3段です。
- のっぽくん
- 参りました。。(笑) 囲碁をやっている人は、常に先を読む計算をしているという印象があるのですがそういう感覚はあるんですか?
- 知念さん
先を読んでいるかどうかはわかりませんが、囲碁とそろばんをやっていたということもあって、やっぱり計算は大好きですね。
- のっぽくん
- 囲碁は、小さい頃も毎日されていたんですか?
- 知念さん
はい。 父の影響で囲碁を始めたんですが、父はとても恐い存在だったんです。 毎日の日課である棋譜並べも、父がいるときはまじめにやって、父がいないときはやったふりをしてました。(笑) やっぱり、ばれちゃうんですけどね。(笑)
- のっぽくん
- その頃からプロを目指そうと思っていたんですか?
- 知念さん
真剣に囲碁のプロになろうと思ったのは中学校3年の秋ですね。 高校に行くか迷ったんですが、囲碁のプロを目指すには、15歳の時点でも遅いくらいだったので、「勉強ならいつでもできる」と思って、思い切って日本棋院の研修センターに入ったんです。
- のっぽくん
- そのときから、今の先生(時本壱(ときもとはじめ)八段)に師事されているのですか?
- 知念さん
中学卒業までの半年間は幕張にある日本棋院研修センターにいて、その後茨城の先生のお宅に住込みしていました。 毎週、茨城から電車で出てきてたんですが、寂しくて、東京に住んでいる姉のところに週一回行くときはとてもホッとできました。
- のっぽくん
- 15歳といえば、まだまだ子供ですよね。その当時からの大変な経験の積み重ねによって、今があるんですね。今までで、一番の思い出は何ですか?
- 知念さん
やっぱり一番は、プロになれたときです。 10人でトーナメントをして、勝ち抜いた一人だけがプロになれるんですが、18歳でプロになれたときは本当に嬉しかったですね。
- のっぽくん
- 自分自身の一番大きな分岐点だったんですね。 囲碁の場合、プロになるには年齢制限もありますしね。 もしそこでプロになっていなかったら全く違った人生だったんでしょうね。 子供の頃、「こうしとけばよかったなー」っていうことはありますか?
- 知念さん
囲碁をやっているときに、友達をいっぱい誘っておけばよかったなって思います。やっぱり、その当時、囲碁をやっているのは私と私の兄弟くらいしかいなくて、恥ずかしいんですよね。新聞にでるときも、次の日学校に行くのがすごく恥ずかしかったです。
- のっぽくん
- 小学校の頃から今までされてると、中には「もう辞めたい」と思ったことがあるんではないですか?
- 知念さん
辛いことはありますけど、辞めたいと思ったことはないですね。
- のっぽくん
- これだけ長い間やってきて、一度も辞めようと思わなかったというのはスゴいですね。 囲碁の魅力はどういうところですか?
- 知念さん
ゴールがないところです。 何度やっても、これで完璧というものがなくて、必ず反省があるんですよね。 そこが魅力です。
- のっぽくん
- 今後の目標は何ですか?
- 知念さん
これは5年くらい先になると思うんですが、自分で子供囲碁教室を開きたいです。多くの子供たちに、囲碁の魅力を感じてもらいたいし、囲碁を通していろんな事を学んでほしいですね。
- のっぽくん
- 3人のお子さんも囲碁を通してスクスクと育ちそうですね。
- 知念さん
そうですね。 伸び伸びと育ってくれればそれで充分です。 元気が一番ですね。
- のっぽくん
- お子さんを育てる上で大切にしていることはありますか?
- 知念さん
特にはないですが、感情的にならないようにはしています。 子供だからということではなく、よく話を聞いてあげることは大事だと思います。 あとは、夫婦円満ですかね。(笑)
- のっぽくん
- なるほど! 夫婦円満過ぎて、玲佳ちゃんはスクスク育ち過ぎかもしれないです。(笑) これからもお子さんの健やかな成長と、知念さんの活躍を期待してます。 今日は本当にありがとうございました。
- 知念さん
こちらこそありがとうございました。
【編集後記】
「囲碁の魅力は、ゴールがないこと」という知念さん。
もしかしたら、常に自分に足りないゴールを追求するのが人生の目的であり、知念さんにとっては、囲碁はその手段なのかもしれません。
自分らしい生き方を貫く素晴らしさを教えてくれた知念さんは、本当に魅力的です。精神的にもまだまだ成長を続ける知念さんは、まさに“スクスクのっぽさん”ですね。
囲碁を通して人間性を培ってきた知念さんの次のステージは、子供たちに囲碁の魅力を伝えること。
多くの子供たちに、囲碁を通して知念さんのような人格者を育ててもらうと同時に、スクスクのっぽくんでも、囲碁の魅力を少しでも伝えていければ思います。
その前に、自分自身も知念さんにあやかるべく「今日からすぐ打てる囲碁BOOK―知念かおりの“世界で一番やさしい”入門書」を購入したことは秘密です。(笑)
インタビュー目次
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