子ども同士の喧嘩にどこまで介入するべきか ー元幼稚園教諭から見た『園児のココロ、大人のココロ』
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連載:元幼稚園教諭から見た『園児のココロ、大人のココロ』
今回のテーマ

子ども同士の喧嘩にどこまで介入するべきか

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子ども同士のトラブル

自分の想いばかり相手にぶつけてしまったり、ルールが守れなかったりしてお友だちと衝突する事は園生活において当然起こります。

特定の相手と衝突したり、一方的に言われたりして泣いて帰ってくる日もあるのではないでしょうか。

そんな時、園からは何も報告がないとどこまで介入するべきか悩みますよね。

子どもの様子が把握しやすいこの時期だからこそ親が介入するべきか、本人が乗り越えられるように見守るべきか、その判断に迷うのではないでしょうか。

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子ども同士の喧嘩って案外あっさりです

大人の喧嘩って疎遠、絶縁になる事もありますが、子ども同士の喧嘩はその時、その時。

ついさっきまで喧嘩していたかと思えば、次の瞬間には一緒に笑っている。

「ごめんね」「いいよ」がリセットになります。

園での様子を観察していると、子どもは大人よりも相手を受け入れる心が広いと感じます。


時に衝突しながら自分の気持ちと相手の気持ちを知ります。

そして自分の気持ちを相手に伝える大切さも知ります。

泣かせてしまった子も後味が悪く一緒になって泣いてしまう事も。そうやって学習していくのだと思います。

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この対応は本当に正しいでしょうか

ついつい、言いがち、またはとりがちな行動の例をご紹介します。


・子ども同士のトラブルが親同士のトラブルに発展

園の中で起きた事は園で解決が基本です。

園の対応に納得がいかない部分があったのかもしれませんが、心配な時は園に連絡して下さい。

子ども同士の話し合いの場を設け報告してくれると思います。

たまに良かれと思い第三者の親御さんが「あなたのお子さんが・・」と伝える事がありますが、事態を複雑にさせ当事者同士のトラブルに発展させてしまう事も。

また、余計なお節介をしたと当事者や周囲から言われたり、信じて話していた事をばらされたと信頼を失ってしまったりして自分の立場を悪くしてしまう事もあります。


・「やられたら、やりかえせ」

相手にされて嫌だった事を自分の子にもさせる事につながるのではないでしょうか。


・「相手のお友達と遊ぶな。」

子どもの世界を狭めるだけだと思います。

嫌な思いをさせられた相手と遊ばなければその子とは衝突は起きないかもしれませんが、同じようなケースは集団生活の中で何度も起こります。


・ママ友とトラブルの話題に出やすい子の話しで花が咲く

子どもは大人の会話を驚くほど聞いています。

そしてそれを残酷なくらいストレートに相手の子どもに伝えます。

相手の気持ちを汲み取ることが難しいからです。

そして、悪い子なのだと子どもに思わせてしまいます。

自分の子どもにいじめっ子になって欲しくないですよね。


・ 根ほり葉ほり聞きすぎる、我が子の話しを100%信じる

お母さん達はこの話題が好きなのだと錯覚して話しすぎる傾向にあるそうです。

実はその日その子は休みで他の子の話しだったという事や、実は我が子にも原因があったという事も。

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園の先生はどんな風に関わる?考える?

私がいた園ではどのように対応していたかご紹介します。

・喧嘩は子ども同士で解決を

様々な事を感じながら子ども同士で解決していく事が大事だと思います。

しかし上手く伝えられず、言葉よりも先に手が出てしまった時や泣いてしまった時などは保育士が仲裁に入ります。

お互いの話を聞き、相手がどんな気持ちになったか一緒に考え、そして自分の気持ちを言葉で伝えさせます。

相手の気持ちを汲み取るよりも、自分の感情が先に出てしまう時期なので喧嘩の度に繰り返し行います。

・「先生から何も報告がない、相手の親に言って欲しい。」

私のママ友もそんな話しをしていますが、園から報告がある場合は頻度が多いなど様子が気になった時、トラブルが原因で怪我をしてしまった時だと思います。

先に連絡するのは泣いてしまった、怪我をしてしまった子どもの保護者にする事が多いです。

「相手のお母様にお伝えしますか。」と確認し「子ども同士の事なので構いません」そう言われたら連絡はしません。

しかし同じ様な事が続くなど必要があれば、最近の園での様子、例えば感情的に手が出てしまう時がありますなどの事実を伝え、ご家庭での様子を聞いたりします。

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視点を変えて一呼吸

相手の親とトラブルに発展しそうになったら、視点を変えて一呼吸置いて今後の対応を考えることも大切だと思います。

・あんな言い方や、こんな事をされると悲しくなるのだと痛みを知る機会になった

・親の目が届くうちに自分で解決できるよう導く

・我が子だけではなく、園の子ども達をみんなで育てていると思い冷静になる

とは言ったものの、上記のように割り切る事ができないのが親心。

しかし、「我が子を守る」だけではなく、「今後の成長」という視点に立って考えてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

ただ話しを聞いてもらい「そうだったの」の一言で気持ちをリセットできる事もあります。

自分でどうするべきか考えられるようだったら、少し様子を見守るのも一つかなと思います。

精神的に不安定になったり、先生の知らない所で何度も起きているトラブルやあざがあったりした場合など、気になった時は迷わず園に相談して下さい。

必ず対応なり、最近の園での様子など話してくれると思います。

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この記事の先輩ママ:rengesou
プロフィール:
幼稚園勤務を経て現在一児の母。イヤイヤ期の我が子に現在奮闘中。お昼寝中のデザートが最高の息抜き!それを楽しみに朝から全力で遊ぶ毎日です!
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