NPO SB.Heart Stationの副理事長として、精力的に活動を続ける小川喜功さん。この活動をはじめたきっかけや、ボランティアの難しさ、これからの活動についてお話を伺いました。
活動をはじめたきっかけ
SBハートステーションは2009年に設立したのですが、きっかけは20年程前に仕事でフィリピンに訪れた時のことです。
現地での仕事が終わって夜中にタクシーに乗っていると、ストリートチルドレンと呼ばれる50~100人ぐらいの裸同然の子供たちが「マネー、チップ」といって寄ってきた。僕らだけでなく、タクシー全てに対してです。
これまでも昼間にそういった姿は目にしていたものの、その時は夜中であったこと、そして雨の激しい雨季の時期だったということもあり、目の前で起こっている光景に改めて大きな衝撃を受けました。
その後日本に戻ってから、マラソンランナーの高橋尚子さんのドキュメンタリー番組をたまたま目にしました。その内容は、靴を買うことができず、怪我の危険性と常に対峙しているアフリカの子供たちに靴を届け、マラソンを指導するというものでした。
その番組を観た瞬間、フィリピンでの光景がふっと思い浮かび、自分でも靴なら何とか集められるのではないか、少しでも役に立てるのではないかと思ったのが活動をはじめたきっかけです。
活動の広がり、喜び
始めは、「とにかく集めよう」「どうにか靴や文房具を送ってあげたい」という一心だったので、現地にどう送るとか、送るためにはどのくらいの費用がかかるとか、そんな事を考える余裕もありませんでした。ただがむしゃらに、先輩や後輩、学校関係者に声をかけ続けて少しずつ集めていきました。
そして、コンテナ一台分の量が集まったのが平成22年、活動を始めて約2年後です。
集まった靴たちを社員に手伝ってもらいながら仕分けをし、初めてようやくフィリピンの子供たちに発送することができました。
その後、たまたまこの活動を知った新聞社に取り上げていただいたのですが、それをキッカケに本当に多くの人が靴を送ってくれるようになりました。少しずつ周知の輪が広がったことで、1人で集めていた頃の何倍もの速さで靴を集めることができるようになり、現在は年に3~4回ほど現地に発送できるようになりました。
コツコツとやってきたこと、そしてそんな自分に託してくれる人が1人1人と増えてきたことで、これまでやってくることが出来たと感じています。