思春期に気になる、薄毛・抜け毛の問題ーなぜ?
思春期に薄毛・抜け毛が起こる原因は?医学的根拠はある?
まだ中学生、高校生なのに薄毛になってきた、脱毛が激しいという相談は数多くあります。
思春期が薄毛や脱毛の原因になることは度々発生しています。思春期の脱毛は、脂漏性の脱毛、ストレス性の脱毛、の2つに分けて考えることができます。
脂漏性皮膚炎
思春期になると毛穴から分泌される皮脂が過多になります。日々の洗髪で取りきれない油が頭皮に残り、そこに雑菌が繁殖して炎症を起こすことがあります。一度炎症を起こすとかゆみが出るのでかきむしってしまい、炎症を悪化させてしまうことが多いようです。かくことにより抜け毛が増え、炎症によってダメージを負った毛穴は髪の毛を生やさなくなることがあります。
ストレス性
思春期は体だけではなく心も成長する時間ですが、心の成長は体よりもゆっくりです。体は大人になっても心は子どものままなのでそのアンバランスがストレスになることがあります。さらに学校生活や、中学高校に進むと増える人間関係にも頭を悩ませるお子さんは多いです。
対策は?どんな食べ物を食べたらいい?
脂漏性皮膚炎は頭皮を清潔に保つことで防ぐことができます。シャンプーは髪の毛を洗うものとつい思ってしまいがちですが、メインに考えなければいけないのは頭皮の洗浄です。
髪の毛のみにシャンプーをつけてかき混ぜるように洗っていては、頭皮の毛穴の油はうまく洗えません。コツは爪を立てないように指を頭皮に当て、優しく円を描きながら頭皮全体をマッサージする感覚です。頭皮の油、汚れを取るとともに毛穴の血液循環をよくして健康に保ちます。
思春期脱毛の第一の原因は皮脂の過剰分泌です。食事でそれを防ぐために大切なのは油分の多い食事を避けることです。肉類や揚げ物など、脂っこい食べ物を避けましょう。またスナック菓子やカップラーメンなどは、せっかく取り込んだ栄養素を減少させてしまうので避けることが賢明です。
親がしてあげられる対策方法は?
ストレスの解消は繊細なことなので難しいのが事実です。
子どもたちの抱える悩みを解決しなくとも、ただ話を聞いてあげるだけで救われる場合があります。思春期に子どもは親に反抗するような仕組みになっていて、それは心の成長で欠かせないことです。ぶつかることなく静かに見守ってあげることが大切です。
そして、ちゃんとバランスのとれた食事を朝昼晩3食作ってあげるようにしましょう。市販の食べ物は栄養素が偏っていることが多く、保存料など体に悪いものが含まれています。手作りの食事で心身ともにサポートしてあげることが大切です。
医師、医学アドバイザー 橋本佳子プロフィール
久留米大学医学部卒業、内分泌代謝内科学講座入局。幼少期に母親がI型糖尿病を発症。父親とともに長年に渡る闘病生活を支え続けた経験から、心と体の繋がりについて深く学び、医学的な治療方法だけでなく、心との向き合い方について幅広い視点からアドバイスを行っている。 【経歴】:医療法人水聖会メディカルスキャニング浜松町にて院長を務めたのち、東京医科大学病院にて糖尿病内科医として勤務。現在は、ピュアライフメディカルクリニックにて治療に携わっている。