幼児肥満とその問題点
幼児の肥満が危険!?【セミナーレポート①】
こんにちは!管理栄養士の磯村です。
健康ブーム、飽食の時代、アレルギー、グルメ情報・・・と食事に関する情報を耳にしない日はない今日この頃。
皆さんはどのような内容に関心をお持ちですか?
私は先日、日本小児学会・日本小児保健協会・日本小児医会・日本小児外科系関連学会協議会が共催しているセミナーに参加してまいりました。
大きなテーマとしては「幼児期の肥満」なのですが、その中にはとても興味深い研究データや情報がたくさんありましたので4回にわたってみなさまにレポートしたいと思います。
まず第1回目としては【幼児肥満とその問題点】についてのレポートです。
幼児期の肥満がリスクを伴う可能性
皆さんは幼児肥満についてどのように思われますか?
大人の肥満は「メタボ」「生活習慣病」という言葉と関連づく方も多くいらっしゃるかと思います。
では、幼児の肥満にはどのような問題点があるのでしょう?
ずばり、「幼児肥満は将来の肥満や生活習慣病のリスクを高める」のです。
さらに、幼児期の肥満は高確率で思春期に移行することも研究データとして挙げられています。
え!子供のころの肥満と大人の肥満って関係あるの?!
海外では、5歳の時に過体重の場合、そうでない子供と比べると14歳になっても肥満であるリスクが5倍も高い!という研究データもあります。
また、肥満になると心筋梗塞のリスクが高くなり、特に学童期の心臓血管に関するリスクは乳児肥満ではなく、幼児肥満が影響する、というデータもあるそうです。
そう。「心筋梗塞」になるのは大人だけではないのです。
ここでのポイントは「Adiposity rebound(AR=アディポシティリバウンド)」にあります。
ARが早すぎると、生活習慣病のリスクも高まる?
AR=アディポシティリバウンドは、体重の跳ね返りをさす言葉です。
私たちは生まれてから大人になるまで、身長や体重が大きくなることで「成長」をしていきます。その中でも特徴的なのがARと呼ばれるポイントです。
BMI(体重㎏/身長m×身長m)は0歳から4歳ごろまでは順調に体重も増えていくのですが、5歳前後で一旦ガクッと落ちます。そしてその後はまたぐんぐん上昇していきます。
このガクッと落ちて再度上昇するポイントをARと呼びます。(保育園・幼稚園の前半頃はポチャッとしていたのに、小学校に入る頃になると身長も伸びてきて、すらりとして「幼児」から「学童」の体型になった!と実感された方もいらっしゃるかと思います。)
ARは通常4~5歳くらいで訪れるのですが、早い段階で訪れると、肥満になりやすく、成熟にも影響が出てくるとのことです。また、ARが4歳未満だと、5歳以上に訪れた子供と比べて肥満指数が変わらなくとも動脈硬化指数が高いというデータもあります。
動脈硬化指数が高いということはつまり生活習慣病のリスクが高いということ。大事な成長期の健康を守るうえでも体重の管理はとても大切だということが分かります。
子どもが元気にスクスク成長してほしいというのは誰もが願うことです。そのためには大人がきちんと健康管理をしてあげることが、将来の健康へとつながるのです。
次回は【幼児肥満の原因】についてレポートします!
関連レポートはこちら
レポート1:幼児肥満とその問題点レポート2:幼児肥満の原因とは?~食生活編~
レポート3:幼児肥満の原因とは?~生活習慣編~
レポート4:肥満児と周りの大人の行動の関係は?
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