生卵、半熟卵はいつから食べさせてもいいの？赤ちゃんでも大丈夫？

乳児・幼児期の食事で悩んだら…管理栄養士からのアドバイス

離乳食初期は与えないように

授乳期を過ぎ、いよいよ離乳食が始まるとお母さんにとってはワクワクする気持ちと様々な不安とでいっぱいになるかと思います。中でも不安要素として挙げられるのが「食物アレルギー」ではないでしょうか。

ひと口に食物アレルギーといっても様々ですが、食物アレルギーの原因物質は鶏卵がおよそ50％と大半を占めています。続いて牛乳がおよそ20％、小麦が7％、大豆やナッツ類はどちらも5％ほどとなっています。

卵はアレルゲンとして占める割合が大きい食材ではありますが、同時に栄養をたっぷりと含む食材でもあります。ビタミンAやD、たんぱく質（アミノ酸）など、豊富な栄養素を美味しくいただけるというのは成長著しい赤ちゃん（子ども）にとっては栄養補給の面からみても強い味方となってくれます。

食物アレルギーに注意を払うことはもちろんですが、大事な栄養素を必要以上に除去することのないよう、しっかりと向き合っていくことが大切です。不安なことがあったら迷わず医師に相談しましょう。

卵の中でも特にアレルギー症状が重篤なのが「卵白」です。そのため基本的には赤ちゃんの時期はしっかりと加熱したものを与えることを心がけましょう。

離乳食初期は卵は与えないようにします

離乳食の基本としては大切なエネルギー源でもある炭水化物から。離乳食の初期（5～6カ月）にひとさじのおもゆから始めます。

そしてビタミンやミネラル源となる野菜をすりつぶした状態で与えます。

その後、慣れてきたらたんぱく源である豆腐や白身魚をすりつぶした状態で与えます。

この時はまだ卵はNGです。

火を通した卵黄を離乳食中期から

離乳食の中期（7～8ヵ月）になると1日2回食になりますが、このころから少しずつ卵を始めても良い時期になります。

急に全卵を与えるのではなく、卵黄⇒卵白の順に与えます。この時期には卵黄を中心に卵白は離乳食の後期に近づくころから始めましょう。

まずは茹で卵を固めに作り、そこから卵黄だけを取り出してペースト状にします。

離乳食中期には卵黄1個分～全卵1/3個分が適正量です。

離乳食後期から卵白も加熱して与えましょう

離乳食後期（9～11カ月）の頃は1日3回食となりますので食事のリズムを覚えさせることも大切になります。このころになると卵白もしっかりと加熱した状態で与えることができます。

1回あたり全卵1/2個分が適正量となります。

離乳食完了期（12～15カ月）になると、離乳食にも慣れてきて少しずつ幼児食に向けての準備を始めます。卵は全卵を与えてOKですが、まだまだ消化機能は未熟ですので、しっかり加熱をしてあげましょう。

全卵の1/2～2/3個を目標に与えましょう。

管理栄養士磯村優貴恵 プロフィール

大手ダイエット専門のエステサロンにて、食事指導を通してお客様の体を内側・外側の両面からサポート。 その後、和食やカフェのキッチンスタッフとして約3年間の料理修行を行う。特定保健指導を経て、現在は、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆など幅広く活動中。 資格：管理栄養士、フードコーディネーター、薬膳インストラクター、健康食育ジュニアマスター