有森裕子プロフィール
1966年 岡山県生まれ 1988年 日本体育大学を卒業後、(株)リクルートに入社 1992年 バルセロナ五輪で銀メダル 1996年 アトランタ五輪で銅メダル 1998年 NPO「ハート・オブ・ゴールド」設立 2002年 アスリートのマネジメント会社「ライツ」設立 現在、国連人口基金親善大使、日本陸連女性委員会特別委員などを務め、国際活動にも積極的に参加している その後、後輩の指導や講演など、様々な分野で活躍中!
父親の役目とは
子育てにおいて母親の役目が、重要なことは言うまでもないが、ではその中で、父親は、何をすればいいのだろうか。茂夫さんに伺ってみた。
仕事から帰ると、妻から毎日報告を聞く。煩わしいこともあったが、それでも話し合った茂夫さん。その中で、子育ては2人で協力してやるものだと、実感した。茂夫さんが考える、父親の役割とは何なのだろうか。
「子供に接する時間が絶対的に少ない父親は、基本的には、母親の味方に徹することが大事だと思います。母親は、常に子供と接していても、不安に陥ることがあります。その不安は、子供にすぐに伝わりますから、父親は、母親を支え追認する。それで母親が、安定すれば、子供に対する接し方も変わってくるのではと考えました」
言いなりになる部分もあるかもしれないが、両親が同じことを言っていると、子供が混乱しないと茂夫さんはいう。
「もちろん、夫婦2人でも、話し合いはしますよ。その中で、2人で育てていく、方針、方向が出てきたと思います。ですが、子供の前では、一貫して両親の意見が一致していることが重要です」
母親をサポートする茂夫さんは、深夜にお乳をあげる時も、起きてストーブをつけたりしていた。もちろんそのことについては母・広子さんも大変感謝したそうだ。
「とても助かりました。そこまでは難しいという人も『大丈夫か?』と一言、声を掛けるだけでも、母親は安心するものなんです」
広子さんの子育で感心したこと
そんな、茂夫さんだが、広子さんの子育で感心したことがあった。子供たちが、言葉が分かるようになると、自分たちのことを包み隠さず話していたという。広子さんは、なぜそのようなことをしたのだろうか。
「子供にとって、親というのは、生まれたときから完成しているものだと思っているんです。そんなときに、上からモノを言っても、子供は萎縮してしまうだけです。自分たちが子供だったことや、失敗した話などをしながら接すると、子供は目を輝かせて聞くんです。一人の人間として接するということを考えていました」
「自分の親のことを知るというのは、子供にとって一つの大きな関心事です。だからそれを、正直に子供に話すことができたら、絶対に子供は親を信頼しますよ」(茂夫さん)
広子さんが続ける。
「親として話すチャンスを逃してはいけないと気をつけていました。なにか事件が起きたときにだけ、子供に話しても、なかなか理解してくれません。
幼児期、学童期、思春期と段階を踏まえていく成長過程で、徐々に話すことが大事。それにより、子供が一人の人間として、成長していることや、私たちも、親として成長していることに気付くことが大切だと思っていました」。
インタビュー目次
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