無関係ではない!?こどもの肥満と小児喘息
近年、インターネットやゲームなどの普及により屋外で遊ぶ時間が減った事や食生活の欧米化による影響からこどもの肥満も気になる話題の1つになっています。
そんな中、アメリカのデューク大学の研究により「喘息発症リスクが肥満児で増大する」という結果が報告されました。
そもそも喘息とはどんな病気?
喘息とは気管が狭くなることで喘鳴や呼吸困難などの症状がみられる疾患です。気管が狭くなる原因としてはハウスダストや風邪などのウイルス、気温気圧の変化などが挙げられ、症状が一旦軽快しても体調の変化などにより再発してしまう慢性疾患の一面を持っています。
従来、喘息を発症するこどもにはアレルギー疾患の既往歴や家族歴を有している割合が高いと考えられていましたが、今回の研究では肥満も喘息発症リスクに関係するという結果が報告されました。
喘息発症リスクが肥満群で26%上昇
研究では喘息歴のない2歳~17歳の約50万人を超える小児を対象に、全体を①肥満群②過体重群③正常体重群の3つのグループに分けてその後4年間における喘息発症リスクを検討しました。
その結果、正常体重群に比べて肥満群では26%、過体重群では17%喘息発症リスクが上昇したという結果が得られました。
今回の結果は観察研究データであるため肥満が喘息を引き起こす機序については不明ですが、喘息発症率を低減させる1つの方法として肥満の早期予防が重要であるとの見解が述べられています。
早期介入が大切
こどもが良く食べて大きく育つことは親にとって喜ばしい事である一方、太りすぎは喘息だけでなく糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病に繋がる危険性をはらんでいます。
病気を発症しなくても小児肥満がそのまま成人肥満に繋がっていくケースも多くみられます。
だからこそ、母子手帳や成長曲線、肥満度判定曲線などを用いてこどもの成長を把握し、場合によっては生活習慣の見直しや医療機関の受診など早期に介入する事が重要です。