睡眠不足は思春期の肥満につながる⁈
現代社会が24時間化したことにより、大人だけでなく子ども達の生活も夜型化している事は大きな問題になっています。結果として睡眠不足の子供が増えていることになりますが、今回アメリカの研究では、睡眠不足が思春期の子供の肥満に繋がるという結果が報告されました。
子ども達の深刻な夜型生活
我が国においても子ども達の夜型化は深刻な問題になっています。日本小児保健協会が実施した調査によれば夜10時以降に就寝する子どもの割合は、1歳半・2歳・3歳でそれぞれ半数を超えており、小中高と年齢が上がるにつれて更に就寝時間が遅くなって睡眠不足を感じる割合が増加していることが判明しました。子どもの睡眠不足は成長の遅れや集中力の低下だけでなく将来の肥満の危険因子になることも示されているため、非常に問題視されています。
慢性的な睡眠不足で肥満に
アメリカのミシガン大学では、メキシコに在住する9〜17歳の青少年528人を対象にして『慢性的な睡眠不足と肥満の関係性』を改めて検証しました。その結果、やはり常時睡眠が足りてない群では睡眠充足群に比べると、 BMIや体脂肪率といった肥満の尺度が全て大きく、肥満の有病率も高いという結果が得られました。また、従来睡眠不足を寝だめで補うことは出来ないと言われてきましたが、平日に十分な睡眠が得られない場合は週末に寝だめをすることで肥満防止につながる可能性があることも報告されました。
社会全体で適切な睡眠習慣の啓発を
今回の研究結果では睡眠不足により、将来の肥満リスクだけではなく思春期の肥満有病率も高める可能性があることがわかりました。肥満は深刻化すると、糖尿病や高血圧、更には睡眠時無呼吸症候群といった生活習慣病につながる恐れがあります。子ども達の健康と明るい未来のためにも、社会全体で適切な睡眠習慣を啓発していく必要があるかもしれません。
参考URL
メディカルトリビューン https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0403519701/
厚生労働相 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-003.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子