舌下免疫療法で小児アレルギー治療に変化!?
スギ花粉症やダニアレルギーに悩む子どもは意外と多く、一度発症すると慢性化する傾向が あるため、幼いうちから薬を飲み続けるなどの問題を抱えながら治療を継続しているという現 状があります。しかし、2018年2月に舌下免疫療法の治療薬の適応が拡大し、年齢制限が撤 廃されたことで子どものアレルギーに関しても根治出来る可能性が出てきました。
舌下免疫療法とは
そもそもアレルギー反応は、細菌やウイルスといった異物から体を守ろうとする免疫反応の一部で、特に異物(アレルゲン)に対して反応する際に自分の体を傷つけてしまう場合をアレルギー反応と言います。
舌下免疫療法はアレルゲンを直接舌の下に含ませて、少しずつ体に吸収させることでアレルギー反応を弱めていく治療法です。今までは皮下注射で行われていましたが、錠剤や液剤が開発されたため非常に簡単に自宅でも服用できるようになり、年齢制限が撤廃されたことで5歳以上の子どもも治療が出来るようになりました。
医師の3割が小児患者にも実施していく方針
医療者向け情報サイトであるメディカルトリビューンが医師を対象に、年齢制限が撤廃された舌下免疫療法の患者像についてアンケートを実施したところ、約3割の医師が小児患者と回答しました。その理由としては、「根治が目指せる」「長期的に治療効果を得られる」という意見が挙げられています。
アレルギーマーチの抑制も期待
アレルギー疾患は実は単体で発症するだけでなく、1つのアレルゲンによる発症をきっかけに別の種類の同疾患を次々に発症していく"アレルギーマーチ"の進行を引き起こすリスクがあります。しかし、低年齢のころから舌下免疫療法を行うことでこのようなリスクを抑えることが出来るのではないかとも考えられています。
年齢制限が撤廃されて間もないため、今後も症例数を増やして検証していく必要がありますが、新たな治療法によって子どものQOLが向上していくことが期待されます。
参考URL
『Mylan』https://allergy72.jp/anaphylaxis/allergy.html
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2018/1101516789/
『日本アレルギー学会』https://www.jsa-pr.jp/html/knowledge.html