大事な命を守るために 知っておきたいAED
今や病院や公共施設だけではなく学校への設置も進んでいるAED(自動体外式除細動器)ですが、その正しい使い方をご存知ですか?
実は、意外にも小中学校で起こる心停止の半分は心臓病の既往のない子どもに起きており、AEDの使用を含めた初期対応がその後の救命率に大きな影響を与えます。そのため、最近では学校職員だけではなく生徒に対しても「何かあった場合はその場にいる自分が動けるように」救命講習が行われています。
AEDとは
AEDとは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった場合に、電気ショックを与えて正常なリズムに戻すための医療機器です。電源を入れれば、操作方法を音声でガイドしてくれるため、医療従事者以外の一般市民も使用可能です。
製造メーカーにより多少の差はありますが、基本的には
- ① 電源をON
- ② 2枚の電極パッドを対象者の指定された場所に貼る
- ③ 対象者の体に誰も触れていないことを確認
- ④ ボタンを押して電気ショックを流す
という非常に簡単な動作で誰でも適切に使用することが出来ます。
過去の悲劇を繰り返さないために
011年9月、さいたま市の小学6年生の児童が学校の駅伝練習中に倒れ、その後亡くなられたという事件がありました。当時、教師達は児童が痙攣しているものの、あえぐように呼吸をしており、脈も取れたためAEDを使用しなかったということが判明し、大きな問題となりました。
二度と同じような悲劇を繰り返さぬよう、さいたま市を中心にASUKAモデルと呼ばれる体育活動時等における事故対応テキストが作成され、「心停止の判断がつかない場合でも、迷ったら胸骨圧迫とAEDを使用する」よう呼びかけています。
人ごとではなく、誰でも起こり得ること
ASUKAモデルの普及や救命講習の実施により、実際に一命を取り留めた子ども達も数多くいます。
いきなり救命講習に参加することは難しいかもしれませんが、改めてAEDの使用方法を調べたり、身の回りのどこに設置されているか意識してみてはいかがでしょうか?
参考URL
『朝日新聞デジタル』
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASM4V1504M4TUUPI00N.html?rm=957
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子