スマホの長時間使用に注意!?増加する急性内斜視とは
今や生活必需品となりつつあるスマートフォン=スマホ。子育てや仕事に奮闘する親世代はもちろんのこと、最近では保護者の管理下のもと、自分のスマホを持っている小学生や中学生も多いです。
そんな中、日本小児眼科学会と日本弱視斜視学会により、スマホの長時間使用が急性内斜視という疾患を引き起こす可能性があるという調査結果を報告しました。
内斜視とは?
内斜視とは、右眼か左眼どちらかの視線が内側に向かっている状態を言います。どちらか一方の眼だけがずっと内側に寄っているとは限らず、時に右目左目というように入れ替わることがあります。また、どちらかの視線が外側に向いている場合は外斜視と言い、どちらも斜視に含まれます。
神経異常や全身性の病気などが原因で子どもの頃から斜視がみられる先天性のケースと、脳の異常、ケガ、強い近視などが原因で後天的に斜視になる2つのケースが存在します。
急激に増加した急性内斜視
内斜視の中でも短期間のうちに斜視の症状が進む状態を急性内斜視と呼びますが、実はそれ自体は眼科医にとっても非常に珍しい疾患であり、1人の眼科医が数年に1人患者を診るかどうか程度の発症率と言われていました。
しかしながら、日本小児眼科学会と日本弱視斜視学会で行ったアンケートによると、約4割の小児眼科医が2018年の1年間で急性内斜視の患者を診察したという結果が報告されました。その中の約8割がスマホなどのデジタル機器が原因であると考えられ、実際にスマホの使用をやめたら症状が軽快した患者もいました。
スマホとの上手な付き合い方が求められる
今まで考えられていた原因とは異なるため、スマホの使用時間と内斜視の因果関係については今後更なる研究が必要ではありますが、スマホを使う人なら誰にでも起こりうる病気であるため、他人事と思わずにスマホの使用時間には注意が必要です。 特に目の働きが未発達な10歳以下では、斜視側の目を無意識に使わなくなり、視力が発達せずに弱視になったり、うまく立体視できなくなったりするおそれがあるため、親はしっかりとスマホとの関わり方を子どもに伝えることが重要と言えるでしょう。
参考URL
『デジタル朝日』https://digital.asahi.com/articles/DA3S14055086.html?rm=150
『日本眼科学会』http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_kodomo.jsp
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子