幼児期から注意を!子どもの肥満の影響と対策
大人にとっての「肥満」は生活習慣病に繋がる深刻な問題として認識が広まっていますが、子どもの場合はどうでしょうか?「よく食べる子だから」「身長が伸びれば痩せていくだろう」といったように、肥満が一時的なものであり、個性のように考えられがちです。
しかしながら、実は子どもの頃、特に幼児期からの肥満がその後の健康に大きな影響を与えるとして、日本小児科学会が警鐘を鳴らすべく「幼児肥満ガイド」を発表しました。
幼児期の肥満が学童期に影響
従来、小児の肥満については学童期以降に健康障害が顕在化すると考えられていたため、5歳未満の幼児は日本肥満学会の『小児肥満症診療ガイドライン 2017』の対象から外されていました。
しかし、幼児期の肥満は学童期以降の肥満と大きく関連しており、年齢が低いほど予防意義が高まることから、日本小児科学会などにより幼児肥満ガイドが制定されました。
肥満度15%以上・極端な低身長には注意を
日本では標準体重を用いて算出される肥満度と呼ばれる指標をもとにして小児肥満を判定します。しかし、この肥満度を一から計算すると手間が掛かってしまいます。
そのため、家庭で気軽にお子さんの肥満度を調べたい場合は、日本小児内分泌学会のホームページに掲載されている肥満度判定曲線を用いると、他の成長曲線同様ひと目で肥満度が判定出来ます。
※男の子の計算式はこちら
(https://www.suku-noppo.jp/data/average_weight_boy.html#f1)
※女の子の計算式はこちら
(https://www.suku-noppo.jp/data/average_weight_girl.html#f2)
この肥満度が15%以上になると小児肥満だと判断されますが、それ以外にも「成長曲線の-2SDを下回る低身長を伴う肥満」の場合は、中枢神経系や内分泌系などの特定の疾患・病態に伴う二次性肥満が疑われます。肥満度だけを判断基準にせず、気になる場合は小児科医、専門医を受診すると良いでしょう。
幼児の肥満対策としては、大人と同様に食事・運動・生活リズムの是正が何よりも大切です。睡眠不足や朝食欠食、最近ではスマートフォンなどをおもちゃ感覚で操作し、長時間遊ぶことも肥満の悪化因子と考えられているため、日頃から保護者が意識的に注意をする必要があると言えます。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0626520554/
『日本小児内分泌学会』http://jspe.umin.jp/public/himan.html
『日本小児科学会』http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=110
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子