大人だけではない!子どもの過活動膀胱に気が付いて
子どものお漏らしは大人になるまでの通過儀礼と思われがちですが、実は頻繁なお漏らしの陰には「過活動膀胱」という病気が隠れている可能性があることをご存知でしょうか?
そこで今回は、注意しておきたいお漏らしの特徴と小児科受診の目安などについてご紹介します。
「5歳」が治療の基準に
幼い子どもが尿意を自覚して「おしっこ」と言えるようになるのは2歳半~3歳頃と言われており、5歳までには自分で尿意をコントロールできるようになるというのが一般的です。
一方で、5歳を過ぎても昼間の覚醒時に尿漏れをすることを「昼間尿失禁」と言い、治療が必要なラインになってきます。
過活動膀胱が原因
子どもが尿失禁=お漏らしをしてしまうと、「しつけが出来ていないのか」と悩まれる親御さんも多いかもしれませんが、最近では昼間尿失禁の原因が「過活動膀胱」であることが分かってきました。
通常、膀胱の周りにある排尿筋と呼ばれる筋肉は、膀胱がしっかりと尿をためることができるように緩んでおり、尿がたまって排尿可能な状態になると収縮するメカニズムになっています。
しかし、この機能が未発達の子どもの場合は、自分の意図しない突然のタイミングで排尿筋収縮し、我慢できずに漏らしてしまうという現象が引き起こされるのです。
早めの気づきが治療のカギ
国内の調査によれば、小学生の10~20%には過活動膀胱の症状が見られるということが分かっていますが、実際に子どもの方から過活動膀胱の特徴的な症状である尿意切迫感を訴えることは少ないです。
しかし、そのまま昼間尿失禁を放置してしまうと、夜尿症や尿路感染症といった他の病気を合併するリスクや、学校で生活に不安を感じるなど子どもQOLを著しく低下させてしまう可能性があります。
一方で、正しく昼間尿失禁という診断がつけば、膀胱に尿をためるトレーニングや、膀胱の蓄尿量を増やす作用を持つ抗コリン薬という薬によって治療を始めることが可能です。
だからこそ、親が普段から子どもの様子を観察し、「昼間にお漏らしをする」「大きな声で笑うと漏らしてしまう」といった症状が見られた場合はすぐに小児科を受診することが重要と言えるでしょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/1538
『長野県立こども病院』http://nagano-child.jp/medicalnews/10347
スクスクニュースの過去記事も合わせてご覧ください。
子どものおねしょは受診すべき?定義と対策
https://www.suku-noppo.jp/headline/20190714