感染対策VS熱中症~子どもにマスクは付けるべきか~
感染症の拡大防止のためマスクの着用が推奨されていますが、一方で、インフルエンザなどが流行する冬場や花粉症の季節についてはまだしも、夏場にマスクを着けて生活することは日本人にとって未だかつてない経験です。
そのため、マスクを着用することによる熱中症のリスクについても心配されています。
そこで今回は、夏場も外で遊んだり野外で活動したりすることが多い子どものマスクの着け方についてご紹介します。
子どもは熱中症になりやすい
熱中症とは、大量に発汗し水分や塩分が失われたり、体温の調節機能が効かなくなったりした結果、めまい・頭痛・けいれんなどといった症状を引き起こす病気です。
過剰に体内で熱を作り出したり、体内の熱を上手く放出できないことが主な原因となります。
最近では高齢者の熱中症患者が増加していると言われていますが、実は成人に比べると子どもは体温や水分バランスの調節機能が発達していないため、熱中症を発症するリスクが高いという特徴があります。
特に、小さい子どもの場合は喉の渇きや体調の異常を上手く伝えられないことが多いため、熱中症になりかけていることに気付かずに重症化してしまうケースも。
したがって、屋外での遊びや部活動などについては、大人がしっかりと観察しながら、こまめな水分補給や休憩、熱がこもらない服装などに注意してあげることが大切です。
マスク着用は年齢と状況に合わせて
感染症対策としてマスク着用は有効と言われていますが、子どもの年齢やシーンによっては無理をして着用する必要はない場合もあります。
例えば、中学生以上の子どもであれば、見守りは必要ですが、自分の判断でマスクの着けはずしができるでしょう。
一方で、赤ちゃんは自分でマスクを付けることはできませんし、2歳以下の子どものほとんどはマスクを嫌がることが多いです。
ましてや、0歳の赤ちゃんにマスクをつけても窒息など呼吸障害を引き起こすリスクの方が気になります。
そのため、以下のように状況に合わせて柔軟にマスクを着けたり外したりしてみてはいかがでしょうか?
- ・地面と近いベビーカーに乗っている間は熱中症リスクも高いためマスクを外す
- ・車移動であれば、買い物中だけマスクを付ける
- ・マスクを嫌がるなら、買い物を短時間で済ませる
- ・マスクを着けて運動する場合は運動量を減らす、無理をして着けない
我が子が感染してしまったらと考えると、できる対策は全てしてあげたいところではありますが、その結果、別の病気を引き起こしてしまっては意味がありません。
神経質になりすぎず、状況に合わせた感染対策を心がけましょう。
参考URL
『yomiDr.』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200514-OYTET50007/
『Doctors File』https://doctorsfile.jp/medication/233/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子