ビタミンD不足でくる病に!?~巣ごもり生活の注意点~
コロナウイルスの感染予防目的の外出自粛が続いているため、日光に当たる時間が減っている人も多いのではないでしょうか?
これから夏のシーズンは熱中症も気になるので、ますます屋外には居づらいですよね。
しかし、実はこうした巣ごもり生活を続けて日光に当たる時間が減ると、ビタミンDが不足し、くる病という病気を発症してしまう危険性があるというのをご存知でしょうか?
今回は、子どもの健康にも欠かせないビタミンDの役割と、巣ごもり生活の注意点についてご紹介します。
骨の成長に欠かせないビタミンD
人間の体内では日々古くなった骨を壊して新しい骨が作られていますが、骨を強くするために必要な栄養素がカルシウムとリンです。
そして、ビタミンDは食事などにより摂取されたこの2つの栄養素の、小腸における吸収を促進する働きをしているため、骨の成長には欠かせない存在と言えます。
ビタミンD自体も食事から摂取することが可能ですが、実は日光に当たることで80~90%を生成することが可能です。
他の栄養素とは異なり、体内で生成できるという点は、ビタミンDの大きな特徴であると言えるでしょう。
成長期のビタミンD不足は特に注意
人間にとって大切な栄養素であるビタミンDですが、成長期の子どもの場合はビタミンDが不足してしまうと「くる病」を発症してしまうリスクが高くなってしまいます。
くる病とは、骨が柔らかくなってしまいO脚やX脚といった骨の変形がみられたり、転びやすくなって歩行障害をきたす病気です。
東京大学の研究によれば、くる病の治療を受けた15歳以下の患者の人数は2005年~2014年の10年間で10倍以上増えており、子どものビタミンD不足が深刻な問題であることが分かります。
数分の日光浴と食生活の改善を
最近では熱中症や皮膚がんへの危険があるとして、子どもに日光を浴びせることを避ける傾向があり、外で遊ぶ時も日焼け止めを塗っていることが多いのではないでしょうか。
しかし、実際は顔と両手の甲を数分日光に浴びせてあげれば、必要なビタミンDを補って子どもの骨成長を促してあげることができます。
また、日光浴が難しい場合は、魚やキノコなどビタミンDを多く含む食材を積極的に摂取することも大切です。
もちろん、成長のためにと過度に摂取すれば、今度は頭痛や吐き気を引き起こすため注意が必要ですが、巣ごもり生活が続く今こそ、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
参考URL
『東京すくすく』https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/life/31817/
『低リン血性くる病ナビ』http://www.teirin-kurubyo.jp/patients/kurubyo/01.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子