見逃さないで!子供の心不全症状について
新型コロナウイルスの代表的な症状として、風邪症状と倦怠感がありますが、実は心不全の場合も同じような症状が表れるというのをご存知でしょうか?
大人の病気というイメージがある心不全は、子どもであっても発症する可能性があり、早期の発見が非常に重要とされています。
そこで今回は、単なる疲れや感染症と勘違いされてしまいがちな、子どもの心不全についてご紹介します。
心不全は命も脅かす病気
心不全とは、全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしている心臓が、なんらかの原因で働きが悪くなる病気です。
血液の流れが悪くなると、体に十分な酸素が行き渡らなくなるため、息苦しさや息切れ、むくみといった症状を引き起こすようになります。
そして、人間の生命機能を支えている心臓の機能がどんどん低下してしまえば、最悪の場合は死に至ることも。
だからこそ、心不全の徴候があった場合は出来るだけ早く確定診断を受けて、適切な治療を受けることが非常に重要なのです。
子どもの年齢によって初期症状が異なる
子どもが発症する心不全には、「先天性の心臓病」「心筋症」「乳児期に発症した川崎病の後遺症」という主に3つの原因があります。
初期症状は子どもの年齢によって異なります。
乳児期では機嫌が悪くぐずりがちになり、ミルクの飲む量が減るため、体重増加が標準よりも少ないことが心不全の発見に繋がることがあると言います。
また、学童期では、「疲れた」と口にすることが多くなり、腹痛や吐き気などの消化器系症状を頻繁に訴えるようになった場合に注意が必要です。
早期の初期治療が進行を遅らせるカギ
初期の段階で心不全に気付くことができれば、薬物療法と塩分制限など生活管理によって症状の改善が期待でき、突然死を引き起こす合併症も予防することができます。
倦怠感や腹痛がまさか心不全に繋がるとはなかなか想像ができないかもしれませんが、大したことはないと決めつけて子どもの話を無視してしまうと、恐ろしい結果にも繋がりかねません。
万が一のことを念頭に置いて、日常的に子どもの様子や訴えにしっかりと耳を傾けることが大切だと言えるでしょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/1659
『日本小児循環器学会』http://jpccs.jp/10.9794/jspccs.31.S2_1/data/index.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子