発症して当たり前!?~9歳の子どものアレルギー陽性率は約75%~
鼻炎や皮膚炎、喘息など、アレルギーを原因として病気を発症する子ども達が近年急増しているおり、社会的な問題になっています。
きっと、こうした症状で病院にお世話になっている親御さんも多いことでしょう。
今やほとんどの子どもがアレルギーを持っているのではないかとも言われていますが、今回国立成育医療研究センターが行った調査によると、9歳時のアレルギー陽性率はなんと約75%であることが明らかになりました。
9歳時は5歳時の約3倍が鼻炎に
子どものアレルギーに関しては様々な研究が行われています。
しかし、今回の研究では出生前から成人するまでの約20年間に渡り、母親と子どもを継続的に追跡し、調査をしているため、従来の研究よりも信頼性が高いと言われています。
その研究によれば、9歳時の子どもは5歳時に比べて約3倍もの割合で鼻炎症状を発症しており、9歳時の74.8%が何らかのアレルゲンに対して抗体陽性を持っているということが判明しました。
特に、アレルゲンの代表とも言えるダニやスギに対しては、9歳時の54.3%が抗ダニIgE抗体陽性、57.8%が抗スギIgE抗体陽性であり、半数以上がハウスダストや花粉などに悩まされていることが分かります。
たかが「アレルギー」ではない
厚生労働省の調査によれば、今や国民の2人に1人はアレルギー疾患を発症していると言われています。
そう考えると、今回の調査結果における9歳時の子どものアレルギー陽性率は全国民の平均を上回る結果とも言えるため、非常に深刻な状況であると言えるでしょう。
また、代表的な子どものアレルギー疾患と言えば「アトピー性皮膚炎」。
実は、乳児期にアトピー性皮膚炎を発症した子どもは、その後も気管支喘息やアレルギー性鼻炎になりやすいということが分かっています。
1つのアレルギー疾患が次の疾患へと繋がってしまうケースもあるため、出来るだけ早期の治療介入が重要です。
皆が悩む病気ではありますが、成人期まで疾患を持ち越さないためにも、子どもの症状や経過に合わせた積極的な治療が望まれます。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0809531238/
『日本生活習慣病予防協会』http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2016/009260.php
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