小さい時ほど要注意!テレビの視聴時間と視力について
現代の子ども達にとって、テレビやyoutubeは最も熱中する遊びの1つ。
親にとっても、その間は家事が捗るので、どうしても見せる時間が長くなってしまうなんてことも。
そんな中、乳幼児期における長時間のテレビ視聴が、近視の原因になり得るということを証明する研究が岡山大学により発表されました。
1歳半と2歳半時の視聴時間がその後の視力に影響
今回の研究は、21世紀出生児縦断調査と呼ばれるデータを元にして、テレビの視聴時間が視力低下に与える影響の有無を分析しました。
21世紀出生児縦断調査とは、もともと少子化対策の一環として厚生労働省が実施したもので、21世紀初年に誕生した子ども達の実態や経年変化を継続的に観察した公的統計です。
この膨大なデータを用いて、今回の研究では4万7,015人の子どもを対象に、幼少時のテレビ視聴時間と、7~12歳の小学生時に「子どもの視力が悪くなった」という親の悩みが1回以上回答された場合の関係を検討しました。
その結果、1歳半と2歳半時にテレビ視聴が主な遊びであった子どもは、そうでない子ども達に比べて、小学生時に「視力が悪くなった」と回答した親の割合が有意に高いことが分かったのです。
2時間以上の視聴は要注意か
2歳半の子どもに関しては、もう1つ別の結果も得られました。
2時間以上テレビを見ている2歳半の子ども達は、1時間未満の子ども達に比べると、小学生時に視力が悪くなったと回答した割合が有意に高かったのです。
一方で、3歳半~5歳半の子どもたちのテレビ視聴時間は、小学生時の視力には関連は認められませんでした。
つまり、1歳半や2歳半といった、より幼少期における2時間を超えるテレビ視聴は、成長して小学生になった時に視力が低下する要因の1つになり得ると言えます。
言語発達や社会性の遅れにも繋がる可能性
幼少期の長時間のテレビ視聴が与える影響は、視力だけではありません。
実は、小児科学会では約20年前からも、「乳幼児期におけるテレビの長時間視聴は言語発達や社会性の遅れに繋がる可能性がある」として、2時間未満の視聴を推奨しています。
もちろん、テレビなどによって子どもに良い刺激や遊びを与えることもできます。
しかし、子どもの健康的な未来を守るためにも、特に乳幼児期においては、その使い方と利用時間に注意が必要でしょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0525530335/
『日本小児科学会』https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20040401_TV_teigen.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子