ロタワクチンが定期接種化~予防接種、全て受けていますか?~
インフルエンザとコロナウイルスの同時ワクチン接種が話題になっていますが、2020年10月1日より、ロタワクチンの定期接種化が決定しました。
今までは任意接種だったため、日本全体での接種率は35~45%と低水準にとどまっていますが、ロタワクチンの接種は乳幼児にとって非常に重要です。
そこで今回は、ロタワクチン定期接種化の概要と必要性についてご紹介します。
5歳未満が発症しやすいロタウイルス胃腸炎
ロタウイルス胃腸炎とは、5歳未満の子どもに多い急性胃腸炎のことで、激しい下痢と嘔吐が特徴的な病気です。
2~3月といった春先をピークに迎えますが、アルコール消毒が効かないほど感染力が強いため、看病をしている大人も感染する可能性があります。
胃腸炎と聞くと、さほど重篤な病気ではないように感じますが、幼い子どもの場合は下痢と嘔吐による脱水が重症化して、最悪の場合は死に至ることもある怖い病気です。
2回ないし3回接種分が無料に
現在、日本国内で接種可能なロタワクチンは2種類あり、それぞれ接種回数と期間が異なります。
詳しくは以下の通りです。
- ①ロタリックスⓇ:生後6週から24週までに2回経口接種
- ②ロタテックⓇ:生後6週から32週までに3回経口接種
どちらを選んでも、任意接種の場合は合計で約3万円程度かかるため、定期接種化により費用面のハードルをクリアすれば、接種率が増加すると期待されています。
尚、定期接種の対象となるのは2020年8月1日以降に生まれた0歳児と定めれているため、残念ながら、それ以前に生まれたお子さんは任意接種ということに。
また、定期接種の対象であっても、既に一部接種している場合は、未接種分についてが定期接種の対象となります。
副作用もあるが、接種によるメリットの方が大きい
ワクチンには副作用がつきものですが、ロタワクチンの場合も、腸の一部が隣接する腸内にはまり込んでしまう「腸重積症」という病気を発症する可能性があります。
しかし、そのリスクは極めて低く、一方でワクチン接種により年間1万1990例のロタウイルス胃腸炎による入院を回避できるため、メリットの方が大きいと言えるでしょう。
現在は、コロナの影響でロタだけでなく、ワクチン接種自体も自粛する傾向がありますが、ワクチン接種の対象となる病気は、どれも子どもにとって非常に重篤なものばかりです。
今一度、お子さんの接種歴を確認しておきましょう!
スクスクニュースの過去記事も合わせてご覧ください。
ワクチン接種は必要!怖がらずに予防接種を
https://www.suku-noppo.jp/headline/20190924参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0923531784/
『厚生労働省』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/index_00002.html#Q1
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000553925.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子