発達障害、親子のペアトレで関係改善
子育て中の親御さんにとって、子どもの発達というのは非常に気になるもの。
特に、最近では脳の発達に障害を持つ発達障害の子どもの数が世界的に増加傾向にあるということで注目を集めています。
そこで今回は、発達障害のお子さんの特徴と、親御さんとの関係を改善するきっかけとなる「ペアトレ」の効果についてご紹介します。
発達障害は身近な疾患
一口に発達障害といっても、実は症状によって様々な種類に分かれています。
例えば、言語や発達の遅れ、行動の特異性が特徴的な自閉症スペクトラム。
また、年齢に見合わない多動・多弁、衝動的な行動などが目立つ注意欠陥・多動性障害。
そして、読み書きが難しい学習障害や吃音障害など、これら全てを発達障害と呼びます。
先天的に脳の機能の一部に障害があることで発症するとされていますが、未だ原因は明らかになっておらず、世間的にも珍しい疾患というイメージが強いです。
しかしながら、2012年に文部科学省が全国の公立小中学校約5万人を対象に行った調査によると、発達障害の可能性があると判断された子どもの割合は6.5%。
これは1クラスにつき大体2人程度は発達障害傾向の子がいるということであり、予想以上に身近な疾患であるということが分かるのではないでしょうか?
発達障害は症状の出かたに個人差があるため、中には発達障害であるにも関わらず周囲の大人が判断できていないケースもあり、実際の数字は6.5%よりも多いと考えられます。
接し方を変えるだけで親子関係が改善
発達障害の場合、親が「普通」と思っていることが、子どもにとって非常に困難なケースが多く、「なぜできないのか?」と怒ってしまうことで関係が親子の信頼関係が悪化しやすいと言われています。
そこで、福岡県にある「発達こどもアカデミー」を中心に、発達障害の子どもとの接し方を親が学ぶ「ペアレント・トレーニング」(ペアトレ)が話題になっています。
子どもの行動を「好ましい行動」「好ましくない行動」「許しがたい行動」の3つに分け、それぞれに合わせた対応をするというものであり、中でも好ましい行動をした時の褒め方がポイント。
些細なことでも十分に褒めて、自己肯定感を高めてから、次の行動を促すことで、子どもが素直に行動できるようになります。
こうした子育て方法は、発達障害のお子さんはもちろんのこと、一般的な子育てにも応用がきくため、ぜひ意識して取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20201006-OYTET50018/
『ドクターズファイル』https://doctorsfile.jp/medication/155/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子