たかが頭痛!?~気を付けたい子どもの片頭痛について~
ストレスや天候が原因で、主に大人の女性に起こりやすいというイメージがある片頭痛。
しかしながら、実は片頭痛に悩まされている子ども達がいるというのをご存知でしょうか?
「たかが頭痛」と軽んじていると、学校生活に支障を来したり、不登校の原因になったりする可能性もあります。
そこで今回は、気を付けたい子どもの片頭痛の特徴と対処法についてご紹介します。
片頭痛とは
一般的に、片頭痛とはこめかみから目の辺りが、「ズキンズキン」と脈に合わせるようなリズムで痛む症状のことを指します。
頭の片側に起こりやすいことから「片頭痛」と言われていますが、頭の両側が痛むことも多く、未治療の場合は数時間~数日症状が継続するため、日常生活にも影響が出やすい病気です。
はっきりとした原因は分かっていませんが、寝不足や疲労、ストレスや強い光、女性ホルモンの変動などによって脳の視床下部が刺激されることで、片頭痛が引き起こされると考えられています。
つまり、何気ない日常生活の中に原因が潜んでいるということであり、根本的な治療のためには薬物治療と合わせて日常生活の見直しなども必要です。
子どもの片頭痛は見逃しやすい
子どもの片頭痛には、「吐き気や嘔吐を伴う」「頻度は月に1~4回程度」「頭痛が継続する時間は2時間程度で大人より短く、痛みが無いときはケロっとしている」といった特徴があります。
しかし、子どもは自分から症状を上手く伝えることができず、症状が現れる時間も短いため、子どもの片頭痛は見逃されてしまいがちです。
実際に、埼玉県にある埼玉精神神経センターが2018年に行った調査によれば、約6200人の小学4年生~中学3年生の内、小学生の約1割、中学生の約2割が片頭痛に悩んでいることが明らかになりました。
このように、大人が思っているよりも片頭痛を抱えている子どもの数は多いため、普段は元気なお子さんが、急に頭痛を訴えて動くのを嫌がる場合は、片頭痛を疑って注意しておくといいでしょう。
周囲の理解も大切
「たかが頭痛」と言っても、本人にとっては辛い症状であり、放置してしまうと頭痛が怖くて学校に行きたくないといってケースも起こり得ます。
だからこそ、片頭痛を疑われる場合は小児科に相談し、適切な診断と薬物治療を受けることが重要です。
また、自宅だけではなく、学校にも薬を常備しておき、痛みが現れたら薬を飲んで保健室で安静にするといった処置が必要のため、先生など周囲の人に病気のことを理解してもらうことも大切だと言えるでしょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/1821
『日本臨床内科医会』https://www.japha.jp/doc/byoki/011.pdf
『ドクターズファイル』https://doctorsfile.jp/medication/281/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子