生活に潜む危険~窒息事故から子どもを守るためには~
コロナの影響で公共交通機関を使わず、自家用車で移動することが多くなったという人が多くなっています。
不特定多数と接する感染のリスクは低くなる一方、車の中には「子どもの窒息事故」のリスクも潜んでいるということをご存知でしょうか?
そこで今回は、家や車で過ごす時間が増えたからこそチェックしておきたい、生活に潜む窒息事故のリスクとその対策についてご紹介します。
窒息は珍しい事故ではない
消費者庁の統計資料によると、平成28年における14歳以下の不慮の事故死因の中で、交通事故に次ぐ2番目に多い件数を占めているのが窒息です。
年齢別発生件数を見ると、0歳児が半数以上を占めていますが、動きが活発になってくる1~2歳、そして、指示を聞けるようになってくる3歳以上の子どもでも窒息事故が発生しているため、何歳になっても気を付けておく必要があります。
使い方を間違えればシートベルトが凶器になる
窒息事故の原因になり得る物と言えば、口に入る大きさのボールやブドウなどの食品が代表的です。
ねんね期の赤ちゃんの場合は、毛布やクッションなども窒息の原因になり得るとして注意換気がされています。
一方で、命を守るために必要と思われている車のシートベルトも窒息の原因になり得ます。
実際、走行中の車の後部座席に座り、シートベルトで遊んでいた2歳の女の子の首にシートベルトがからまってしまったという悲しい事故も。
ロック機能によりなかなか首から外すことができず、逆にきつく締まってしまうなど、一歩間違えば恐ろしいリスクをはらんでいます。
6歳以下の子どもは必ずチャイルドシートに乗せる、それ以上の子どももシートベルトで遊ばないように指導するなど、対策をしておきましょう。
生活に潜むリスクを知って、対策を
ご紹介した例以外にも、下記のような窒息リスクが生活の中にはあふれています。
子ども達の命と安全を守るためにも、今一度、身の回りの物を確認した上で、対策が出来ているかチェックしてみてはいかがでしょうか?
窒息原因 | 対策 |
---|---|
カーテンのタッセル | 首吊りの原因になるため、子どもの手の届く範囲・高さに置かない |
スーパーボールなどのおもちゃ | 気道をふさぐ直径3.2mm以下の物は乳児の近くに置かない、口に入れて遊ばないように指導する |
マフラー | 巻いたまま遊んだり乗り物に乗ったりしない |
ヘルメットの紐 | かぶったまま遊ばないように指導する |
水筒の紐 | 持ったまま遊ばせない |
ベビーチェアの背面ベルト | 緩んでいないか、正しい通し方になっているかチェックする |
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20201118-OYTET50003/
『日本小児看護学会』http://jschn.umin.ac.jp/files/201210_kodomonote.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子