子どもの発熱~ホームケアと受診の目安とは~
子どもはよく熱を出すものですが、感染症が流行している時期に発熱があるとやはり心配です。
親としては、早く病院で診てもらいたくなりますよね。
しかし、子どもの発熱の中には自宅療養で十分なケースも多く、不用意な受診は他の病気に感染してしまうリスクや医療の逼迫に繋がる恐れも。
そこで今回は、子どもの発熱時に知っておきたい受診の目安と、適切なホームケアについてご紹介します。
発熱=悪ではない
体内の様子は素人には分かりませんが、体温の高さは計測すればすぐに分かるので、どうしても「高い熱=悪い状態」と捉えがちです。
しかし、本来発熱というのは体が菌やウイルスと戦っている大切な証拠。
体温が高いと体はウイルスなどに対して抗体を作りやすくなりますし、ウイルス達は活動しにくくなるので、発熱というのは自分を守るための大切な防衛反応なのです。
ホームケアの場合
一般的に、発熱があってもすぐに病院を受診する必要はなく、3~4日経過しても解熱しない場合に受診することは勧められています。
つまり、ほとんどはホームケアで十分ということ。
発熱があると熱を下げることに注意が向きがちですが、子どもが高熱を出す場合は脱水に注意が必要です。
特に自ら喉の渇きを訴えられない乳児の場合は、こまめに母乳やミルクを飲ませてあげましょう。
幼児以上であれば経口補水液やジュースを薄めたものなどを与えても良いとされています。
また、高熱が出ていると何とかして解熱剤を飲ませてあげたくなりますが、眠れているようであれば無理に薬を使わず、子どもの自己回復力に任せましょう。
受診の目安
ある病院の小児科外来を受診した患者さんへのアンケートによれば、子どもが38度以上の高熱を出した場合に病院を受診すると答えた人の割合が27%と最も多かったと言います。
確かに38度以上の熱が出ると心配になりますが、発熱時は熱の高さ以上に「状態の良し悪し」が受診の目安となります。
例えば、ぐったりして意識レベルが低かったり、何度も吐くような状態が続いたりしている時は、脳に炎症が起きている可能性があるため、すぐに受診しましょう。
肺や心臓に生まれつき病気を抱えているお子さんの場合は、高熱により酸素不足になるケースもあるので、早めの受診は大切です。
また、生後3ヵ月までは高熱は出ないとされているため、その時期に発熱があった場合は重い細菌感染症が隠れていることもあります。
すぐに受診をして適切な処置を受けるようにしましょう。
子どもの発熱は自分の事以上に心配になりますが、一言で発熱といっても症状や年齢などによって対処法は様々です。
不要な病院受診をなくすためにも、落ち着いてお子さんの状態を観察し、対処法を判断しましょう。
参考URL
『ヨミドクター』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20201225-OYTET50000/2/
『テルモ体温研究所』https://www.terumo-taion.jp/fever/qanda/01.html
スクスクニュースの過去記事も合わせてご覧ください。
子どもの熱性けいれんってどんな症状?知っておきたい対処法
https://www.suku-noppo.jp/headline/20200128- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子