学校の健診が簡略化~我が子の異変を見逃さないためにできること~
新型コロナウイルスは私達の生活を一変させ、特に未発達な子ども達の体にも大きな影響を与えています。
そこで今回は、コロナによって簡略化されている学校健診の実態と、子どもの健康に与える影響などについてご紹介します。
感染不安から健診内容に地域差
本来、学校保健安全法施行規則によれば、健康診断は公立や私立学校の毎学年が6月末までに受けるよう定められています。
具体的には、身長体重や栄養状態のチェック、視力・聴力のチェック、心臓の異常や口腔内の異常も確認など多岐に渡ります。
子どもの体を専門家に直接診てもらえる大切な機会なので、毎年決められた時期に健診を受けることは非常に重要です。
しかし、昨年は新型コロナの急激な感染拡大を受けて、文部科学省が学校健診の実施時期を「今年度中」に延期。
さらに、事前の問診表で異常がなければ直接学校医が診断をしないという自治体も出ており、コロナの感染リスクが高い地域や、耳鼻科・歯科といった特定の科において、健診を簡略化しているというのが現状です。
コロナ拡大後、虫歯患者は増加
感染不安から健診でも簡略化される傾向のある歯科ですが、実はコロナ拡大後、虫歯になる子どもが増えているというのをご存知でしょうか?
理由としては、「保育園や学校の休園・休学により自宅にいる時間が増え、だらだらとおやつを食べるようになってしまった」、「感染リスクを恐れて歯科の定期受診を控えてしまった」などが挙げられます。
また、感染リスクを抑えるために、保育園などで食後の歯磨きを中止したケースもあり、こうした様々な要因が掛け合わさって、虫歯になっている子どもの数が増える結果に。
虫歯以外にも、コロナによる生活環境の変化でストレスを感じ、寝ている間に歯ぎしりをするようになった人も多く、コロナ禍が子ども達の健康に与える影響は非常に大きいと言えるでしょう。
家庭でのセルフチェックを大切に
学校や自治体の健診が簡略化・延期されている今、子どもの健康を守るためにも、例えば以下の様なことを家庭内で心がけてみてはいかがでしょうか?
- ①食事量やおやつの時間を見直してみる
- ②食事中はよく噛むように伝える
- ③食後の歯磨き習慣を徹底する
- ④寝ている時の子どもの様子を観察する
- ⑤子どもがストレスを発散できるよう、話す時間を取ってストレス解消法を考える
もちろん、家庭内の対策では不十分なこともたくさんあります。
だからこそ、コロナへの感染を恐れて病院受診を控えることはせず、子どもの健康が気になる場合は、速やかに該当の専門医を受診しましょう。
参考URL
『朝日新聞デジタル』https://digital.asahi.com/articles/ASP1D6DL6P1DTIPE00V.html?pn=9
『学校保健安全法施行規則』
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002mcip-att/2r9852000002mdgz.pdf
『NHK』https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200917/k10012623351000.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子