子どものO脚X脚に注意~5歳までが分岐点~
O脚やX脚の子どもは意外と多く、「このままで大丈夫だろうか」と心配する親御さんもいるはず。
O脚X脚はそれ自体も気になる問題ですが、実は違う病気が潜んでいる可能性もあるため、早期の診断と治療が大切と言われています。
そこで、今回は子どもの健やかな成長のためにも知っておきたいO脚X脚の症状と対策についてご紹介します。
生理的変形と病的変形
O脚とは、左右の内くるぶしをくっつけて直立した時に、左右の膝の内側が接しない状態。
X脚は左右の膝の内側をくっつけて立った時に、左右の内くるぶしが接しない状態を指します。
赤ちゃんの時はほとんどの子どもがO脚ですが、歩けるようになると自然に治る、もしくはX脚を経て正常な状態に戻るという変化が一般的です。
これを生理的な変形と呼び、正常な状態になる分岐点が5歳頃と言われています。
一方で、病的な変形の場合は靭帯の異常や先天的・後天的な骨の異常などが隠れており、5歳を過ぎても正常な状態になることが難しいとされています。
両者の判別は難しいですが、生理的な変形は左右対称、病的な変形は左右非対称で痛みを伴うという特徴があるので覚えておくといいかもしれません。
90%は自然治癒、残りの10%に注意を
子どものO脚X脚の内、約90%は成長するにつれて自然治癒するとされているため、ほとんど心配することはありません。
しかし、残りの10%である病的な変形の場合には、早期治療が必要な病気が隠れている可能性もあり、専門医の受診が必要です。
早期治療が必要な病気の代表としては、ビタミンD欠乏症が挙げられます。
ビタミンDは強い骨を作るために必要な栄養素を、体内に吸収させる役割を果たしている大切な栄養素です。
このビタミンDが慢性的に足りなくなると、今度は「くる病」と呼ばれる骨が軟化して伸びにくくなる病気の原因になります。
骨が伸びないということは身長が伸びないことにも繋がるため、痛を伴う左右非対称のO脚X脚には注意が必要です。
食事と生活習慣が鍵
ビタミンDは本来、食事から摂取したり、日光を浴びることにより皮膚で合成されたりしますが、これらが不足しているとビタミンD欠乏症に陥りいます。
実際に、生活習慣の変化によりビタミンD欠乏症を訴える子どもが増えているというのは事実です。
子どもの健やかな成長のためにも、脚の形はどうか、食事のバランスや外遊びは足りているかなどを今一度チェックしてみてもいいかもしれません。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/1943
『日本内分泌学会』http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=87
『日本小児内分泌学会』http://jspe.umin.jp/public/kuru.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子