子どもの足、大丈夫?~コロナで増える足の病気とは~
高齢者の中で問題視されている『ロコモティブシンドローム』通称ロコモ。
加齢によって筋力が衰えていき、転倒、骨折、そして、寝たきりに進んでいく可能性が高い状態を指しますが、実は近年、このロコモが子供にも当てはまるのではないかと問題視されています。
そこで、今回はこどもの筋力と足の発達についてご紹介します。
約4割の子供に筋力低下の傾向
2010〜2013年に埼玉県が幼稚園児、小学生、中学生の約1300人を対象に筋力調査を行ったところ、約4割の子ども達のバランスや筋力が弱くなっていることが分かりました。
ちょうど同時期から、スマホやゲームが子ども達にも普及し、外で遊ぶ機会が少なくなったことが要因の1つとして考えられます。
最近では、コロナの影響により外出自粛や学校での部活動・体育の授業も制限されていることも、子ども達の筋力低下に拍車をかけていると言えるでしょう。
4つ項目で筋力チェックを
高齢者のロコモと同様に筋力低下が進むと、転んだだけで骨折してしまう子どももいます。
お子さんの筋力低下が気になる場合は、まずは自宅でもできる以下の4項目をチェックしてみましょう。
- ①片脚立ち
片足で立たせて5秒以上キープできずにふらつく場合はバランスを取る能力が低下しており、転倒のリスクがあります。 - ②しゃがむ
しゃがみ込む時に、途中で止まったり、かかとが上がってしまう、後ろに転んでしまう場合は要注意。
ふくらはぎの筋力低下やアキレス腱が硬くなっている可能性があります。 - ③両腕を上げる
垂直に上がらない場合は肩関節の可動域が不足しています。スマホやゲーム機の長時間使用が原因かもしれません。 - ④体前屈
立った状態で上体を前に倒します。指先が床につかない場合は柔軟性が不足しているので注意しましょう。
足の形は15歳までに決まる
15歳くらいまでに骨格は決まると言われており、足底のアーチも同時期ごろまでに形成されます。
しかし、子どもの頃から運動不足が続いてしまうと、足底のアーチの形が不完全になり、扁平足になってしまいます。
その結果、転びやすくなったり、歩き方がおかしくなって骨格に歪みが出たりと将来的に影響が出る可能性も。
とは言え、子ども達が自分の運動不足を自覚して積極的に運動することは少ないので、まずは家庭内で親御さんから声がけをしてあげることが大切です。
子どもの将来の健康のためにも、できることから始めてみましょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/2163
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子