子どもの体温調節に注意を〜睡眠の質との関係性〜
コロナの流行後、感染対策として体温測定はマナーにもなりつつあります。体温は体調管理にとても役立つ指標の1つですが、最近は体温調節を上手くできない子どもが増えているといいます。
そこで今回は、体温調節機能の大切さと機能を改善させるための対策についてご紹介します。
登園時の体温が低下傾向に
健康であれば、人間の体温は朝起きると共に上昇し、午後の3〜5時頃をピークに低下していきます。これは、明け方に体温を上げるホルモンであるコルチゾールとβエンドルフィンが脳内から分泌され、さらに太陽の光や朝食でのエネルギー補給といった刺激されることによるものです。
その後、夜になると体温が下がることで、スムーズに眠りにつくことができるような仕組みになっています。
しかし、生活習慣が乱れてしまうと体温のリズムもずれてしまい、就寝中の低い体温のまま朝の活動に入ることに。その結果、登園時の体温が36度を下回り、脳も体も休息状態で学校の授業を受けている子ども達も少なくないというのが現状です。
睡眠時間の確保を
体温調節機能が低下して1日のリズムがずれた場合、就寝時間になっても体温が下がりきらず、寝付きが悪くなってしまいます。
一方で、起きる時間は変わらないので睡眠不足になり、眠くて授業に集中できなかったり、イライラして友達とのコミュニケーションが上手くいかなかったりと、様々なトラブルを引き起こすことに。
たかが体温と思いがちですが、体温のリズムは生活リズムと密接に関わっており、子どもの成長や日常生活にも影響を与える大切な健康指標であるということを覚えておきましょう。
日中に意識的に運動を
子どもの体温の変動リズムを正常に戻したいなら、以下のようなポイントに注意しましょう。
- ・朝7時までに起きる
- ・朝食を取って体温を上げる
- ・日中に外遊びをする
- ・夜9時までに部屋を暗くして寝る
特に、体温のピークである午後3〜5時に外遊びや運動を積極的に取り入れることで、自ら熱を作り出し、汗として放散するという体温調節機能を鍛えることができます。
夜になれば体温が下がって入眠しやすくなり、翌朝スッキリと目覚めるようになるので、登校登園の準備もスムーズに進めることができるかもしれません。
せっかく体温を測ることが多い今だからこそ、子どもの体温調節機能が適切に働いているかチェックしてみてはいかがでしょうか?
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/2216
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子