繰り返す腹痛はストレスが原因?子どものSOSに気が付いて
子どもに多い病気の1つに腹痛があります。
胃腸炎によるものが一般的ですが、その場合はウイルスや細菌といった原因を排除すれば治すことが可能です。
一方で、特別な病気ではないのに腹部の痛みや胃もたれを繰り返す「機能性ディスペプシア(FD)」に悩まされている子ども達も増えています。
そこで今回は、子どものFDを引き起こす要因と適切なケアについてご紹介します。
心の不調が胃の機能にも影響
「ディスペプシア」とは、胃の痛みやもたれといった消化不良を表す医学用語のこと。
胃の不調に悩んでいるけれど、胃カメラなどで調べても病気の原因となる炎症や腫瘍などが見当たらない患者は、胃の機能に異常があるのではないかという考えのもと生まれた病名がFDです。
胃腸の動きが悪くなっていたり、胃の動きを痛みとして感じやすい体質であったりと、さまざまな要因が重なり合って引き起こされます。
ストレスもFDを引き起こす要因の1つ。
ストレス性と聞くと大人の病気というイメージが浮かびますが、実際にはFDに悩まされている子どもも多いです。
特に、心配性な性格やうつ傾向のある子どもは、FDを発症しやすいと考えられています。
最近はコロナによる生活の変化でストレスを抱える子どもが増えているため、より一層子ども達の体調の変化に注意を払う必要があると言えるでしょう。
ストレスを1人で抱え込まないで
2021年12月、国立成育医療研究センターが全国50の自治体から抽出した小学5年生~中学3年生約2400人とその保護者を対象にうつ状態に関するアンケート調査を実施しました。
その結果、小学5~6年生の9~13%、中学生の13~22%に医療が必要となる中等度以上の抑うつ症状がある一方で、すぐに誰かに相談するという割合が非常に低いということが明らかになりました。
これは、子ども達が1人で悩みを抱え込んでいるという現実を映し出しています。
コロナの影響で友達と話す機会が減って悩みを相談できなかったり、本来頼るべき保護者も精神的に余裕がなくて子どものSOSに気が付いてあげられなかったり、といったことも状況を悪化させている要因と言えるでしょう。
もちろん、生きていく上でストレスを0にすることは難しいですが、過度なストレスは精神疾患だけでなく、FDのような身体異常をも引き起こします。
子どもの不安感を解消するためには、まずは親御さんが子どもの声に耳を傾けてあげることが大切です。そして、子どもの話を聴く余裕を持つために、親御さん自身も1人で抱えこまず、意識的に外に助けを求めるようにしましょう。
参考URL
『ヨミドクター』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220328-OYTET50000/2/
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20220328-OYTET50000/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子