周期的な発熱に注意を〜PFAPA症候群とは〜
子どもは風邪をひきやすく、園や学校などで集団生活が始まるようになると、さらに体調を崩す機会が多くなってきます。
基本的にはウイルスや細菌が原因ですが、中には周期的な発熱を繰り返す原因不明の病気が隠れていることも。
そこで今回は、知られていないけれど意外と患者数の多い「PFAPA症候群」についてご紹介します。
薬が効かない時はPFAPA症候群かも
子どもがのどの痛みと発熱を訴えている場合、ほとんどの親御さんは「のど風邪かな」と思うでしょう。
実際、咽頭炎や扁桃炎は子どもがかかりやすい病気ですし、こうした症状があれば小児科でも同じような診断をされることがほとんどです。
咽頭炎や扁桃炎はウイルスや細菌が原因なので抗生物質を服用すれば数日で治ります。
しかし、抗生物質を服用しても熱などの症状が改善しない、そして、同じような症状が毎月みられるといった場合は別の病気の可能性があります。
それが、PFAPA症候群です。
毎月の負担が大きい
PFAPA症候群には以下のような特徴があります。
- ・3~6日間の発熱を、3~8週間ごとに規則的に繰り返す
- ・のどの腫れや耳下から首にあたる頚部のリンパ節の腫れ、口内炎がある
- ・発熱と発熱の間の期間は無症状
- ・せきや鼻水などの症状はない
- ・抗生物質を服用しても効果がみられない
男児に多くみられ、ほとんどは5歳未満で発症しますが、発症から8年ほど経過すると自然に治ります。
発育や発達に影響はないものの、毎月数日間学校や園を休むことになるので、学業に遅れが出たり行事に参加できなかったりするなど、子どもにも親にも負担が大きい病気です。
気になる症状があるなら相談を
現時点でPFAPA症候群の治療法は確立されていませんが、ステロイド薬を投与すると解熱効果が高いということは分かっています。
しかし、発熱と発熱の周期を短くするというデメリットもあるため、総合的に考えて処方をためらうケースもあります。
根治的な治療法は手術で発熱の原因となる扁桃を摘出する治療法ですが、いずれ治る病気なので安易に手術することは推奨されていません。
ただ、本人や家族の生活の質が大きく損なわれている場合は、摘出手術をした方が良いこともあります。
PFAPA症候群の症状自体は普通の咽頭炎や扁桃炎と同じですが、原因が異なるため対応を間違えてしまうと、子どもがつらいまま過ごすことになります。
「そういえば毎月学校を休んでいる」「薬を飲んでも効かないことが多い」などPFAPA症候群の特徴にあてはまることがある場合は、医療機関へ相談してみるといいでしょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/2366
『つだ小児科クリニック』https://tsudashonika.com/disease-cat/immunity/pfapa/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子