増え続けるスマホ依存〜独自の治療法で自発的解決を〜
コロナ流行以降、子ども達のスマホ依存はさらに増加傾向を示しており、社会問題の1つになっています。
しかし、生活の一部であるスマホを取り上げることは難しく、どの程度干渉すべきなのか悩む保護者は多いはずです。
そこで今回は、子どものスマホ依存問題を解決するための新たな取り組みについてご紹介します。
SNSやゲームへの依存が問題に
ネットの普及により、私たちの生活はとても便利になりました。しかし、一方ではネット依存や、ネットを介したゲームの依存が世界的に問題視されており、2019年にはゲーム障害が疾患として認定されています。
ここ数年は子どもがスマホを持つことも当たり前になっているので、若年層の患者も増えています。
実際、久里浜医療センターが実施したアンケート調査によると、ネット依存が疑われる中高生の割合は2017年時点で14%。全国には約93万人の患者がいると推定されています。
特に、子ども達の必須のコミュニケーションツールであるSNSが原因であるケースが多いようです。SNSをスマホでチェックすることで、知らない内にスマホ依存になり、通知音に過敏に反応したり、スマホが手元にないと恐怖を覚えたりするようになります。
また、SNSだけでなく、スマホのゲームアプリも依存の原因の1つです。
依存状態下では正常な判断ができないため、欲しいアイテムを購入するために、親のクレジットカードを使ったり、クリアをするために朝までゲームをするなど、様々な問題を引き起こしています。
しかし、こうした症状があっても本人は依存に気が付かないことがほとんどなので、周囲の人間がスマホの使い方や生活の変化に注意してあげることが大切です。
自発的に考えさせる機会を
最近では、患者数の増加に伴い、スマホやネット依存の治療をしている医療機関も増えています。
外来診療だけでなく、数日入院をしてスマホとの付き合い方を学んでいくプログラムを受けるといった治療もあるようです。
一方で、スマホ依存を未然に防ぐための取り組みをしている自治体もあります。
神戸市では市内の小学5年~中学2年の初対面の子ども達を集め、スマホについて考えるワークショップを開催しました。期間中には、チーム対抗のゲームを通して人と接する楽しさを知ったり、スマホとの付き合い方についての目標や大人への提言などを設定したりして、自発的にスマホ依存について考えることができたようです。
依存を改善していくためには、本人が問題意識を持つことがとても大切なので、こうしたワークショップを参考にして、家庭内でも子ども自身がスマホ依存について考える機会を作ってみてはいかがでしょうか。
参考URL
『産経新聞』https://www.sankei.com/article/20221008-WV2ZYHAC4VPLDL5SZEMTHJGKYY/?outputType=amp
『NHK』https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1411.html
『久里浜医療センター』https://www.mhlw.go.jp/content/12205250/000759248.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子