コロナ禍で増える子どもの酒皶(しゅさ)〜原因と対策〜
子どもの肌トラブルといえば、湿疹やあせもなどが代表的ですが、コロナの影響で子どもの患者数が増加している皮膚疾患もあります。
そこで今回は、本来子どもはかかりにくいとされている酒皶(しゅさ)という皮膚の病気についてご紹介します。
酒皶(しゅさ)は大人ニキビ
酒皶(しゅさ)は顔の中心部にできる赤い吹き出物のことで、30代~50代の大人によく見られる皮膚疾患です。いわゆる大人ニキビのようなものですが、大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターが日本皮膚免疫アレルギー学会で発表した研究報告によると、新型コロナウイルスの感染拡大以降、酒皶(しゅさ)皮膚炎の症状を呈する子ども達が増えていると考えられます。
実際、2021年~22年に酒皶(しゅさ)の診断で同病院皮膚科の治療を受けた0~16歳の患者は、28人中24人がコロナ流行後に発症しており、子どもの酒皶(しゅさ)患者の増加とコロナの感染拡大の関連が示唆されました。
病気を知って正しい治療を
今回の研究で治療を受けた子ども達の症状を見てみると、以下のような特徴が共通していました。
- ・マスクを付けている部分を中心に吹き出物ができている
- ・他の病院でステロイドなどの治療をしたら、症状が悪化した
- ・毛穴に皮脂がたまる「コメド」の状態が見られず、「マスクにきび」とは異なる
酒皶(しゅさ)は本来子どもがなりにくい病気ですが、コロナの感染拡大以降、日常的にマスクをつけるという新しい生活様式が定着したことで、発症する子どもの数が増えていると考えられます。
顔の中心部にみられる子どもの皮膚炎は刺激性接触炎や口舐め皮膚炎などが疑われ、ステロイドなどの治療薬が処方されることが多いです。しかし、酒皶(しゅさ)には逆効果になるため、長期的に使用することで悪化の原因になります。
上記のような症状がみられる場合は、酒皶(しゅさ)の可能性も視野にいれて、皮膚科医に相談してみる必要もあるかもしれません。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0116555224/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子