炭酸飲料で呼吸苦⁈アレルギーとの関連とは
コーラやサイダーなど子どもが好きな炭酸飲料。飲み過ぎは体に良くないと分かっていても、ついつい飲んでしまうこともあるでしょう。
しかし、頻繁な炭酸飲料の摂取により、喘息などの呼吸器症状を引き起こす可能性があることが、福岡市立こども病院の報告により明らかになりました。
そこで今回は、炭酸飲料とアレルギー性呼吸器症状の関連についてご紹介します。
炭酸飲料の過剰摂取による健康への影響
炭酸飲料を頻回に摂取すると、子どもの体に以下のような悪影響があると考えられています。
- ・炭酸飲料に含まれる糖分の過剰摂取により、糖尿病などの生活習慣を発症しやすくなる
- ・炭酸でお腹が膨れるため、必要な栄養素を含む食事が摂れなくなり、発育に影響が出る
- ・糖分を含む炭酸飲料を継続的に飲むことで、むし歯になりやすくなる
炭酸飲料を好む子どもは多いです。しかし、健康面への影響を考慮し、摂取量や摂取するタイミングに注意しましょう。
炭酸飲料を飲んだ後に、咳や呼吸苦を発症
福岡市立こども病院は第59回日本小児アレルギー学会において、フライドチキンとサイダーを摂取した1時間後に連続した咳と呼吸苦が出現し、救急搬送された9歳の男児の症例を報告しました。
既往歴に気管支喘息と食物アレルギー、アトピー性皮膚炎があり、病院に搬送された時にはヒューヒューという呼吸音がする喘鳴という症状も見られたため、短時間作用型の吸入薬を使用し、症状は改善しました。
炭酸飲料との付き合い方に注意を
吸入によって症状は改善しましたが、炭酸飲料と症状の関連を調べるため、後日皮膚のプリックテストとサイダーの負荷試験を実施したところ、プリックテストは陰性でした。
一方で、負荷試験ではサイダーを摂取した20分後に咳や鼻汁、喘鳴の症状を確認しました。
今回の症状は一般的なアレルギー反応とは違ってIgE非依存性の反応であり、他の高加糖炭酸飲料を飲んでも同じような症状は出なかったため、サイダーに含まれる香料などの物質が発症原因であると考えられます。
嗜好品として楽しむことは大切ですが、何がきっかけで発作を引き起こすかは分かりません。子どもが炭酸飲料を摂取する際は、大人が様子をみるようにしましょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0320556038/
『マイナビニュース』https://news.mynavi.jp/article/20170921-carbonated/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子