おねしょはいつか治る?夜尿症の治療とポイント
進級や進学の時期は環境の変化が大きいため、大人だけでなく子どもにとってもストレスを抱えやすい時期です。そして、こうした節目を迎えるたびに、子どもは成長する一方で、今まで出来ていたことができなくなることがあります。
夜のお漏らし、いわゆる「おねしょ」もその1つでしょう。
そこで今回は、気になる子どものおねしょについてご紹介します。
4歳まではおねしょが当たり前
一般的に、子どもが夜間に尿を漏らすことを「おねしょ」と言います。おねしょは悪いイメージが強いですが、膀胱が未発達な子どもが尿を漏らしてしまうことは至って普通のことです。
0〜2歳では反射的に排尿し、2〜4歳になると徐々に反射的な排尿を抑制することができるようになるため、親が声がけすることで昼間のお漏らしはしなくなります。
2歳以降にトイレトレーニングを始めるご家庭が多いのは、この時期に子どもがようやく意識的に排尿できるようになるからです。
したがって、4歳を過ぎれば夜間におねしょをしないようになります。
しかし、実際には4歳以降も「おねしょをする」「夜だけオムツが取れない」という悩みを抱えている親御さんが多いというのが事実です。
5歳以降のおねしょの頻度が夜尿症に関係
夜尿症とおねしょには、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
日本夜尿症・尿失禁学会のガイドラインでは、「5歳以降の子どもが月に1回以上のおねしょを3か月以上する場合」を夜尿症と定義しています。つまり、5歳以降のおねしょの頻度が、夜尿症と診断されるかどうかのポイントです。
「尿を漏らすことは恥ずかしいこと」という認識が強いため、病院で夜尿症の診断を受けることに抵抗がある親御さんや子どもも少なくありません。
しかし、実際には5歳児の15%、7歳児でも10%が夜尿症と診断されています。「小学校1年生の1クラスに3.5人は夜尿症の子どもがいる」と考えると、夜尿症は決して珍しいことではありません。
診断がつくと、病院では子どもの状態に合わせて、生活習慣の指導や薬物療法、夜間のお漏らしをセンサーで知らせるアラーム療法などさまざまな治療が行われます。
生活習慣を改善するだけでも、10~20%は夜尿症の症状が改善されるため、専門医から適切な指導を受けることは大切です。
夜尿症が続くと、お泊り保育やイベント事を子どもが楽しめなかったり、寝具の処理で親御さんの負担が増えたりと、親にも子にもストレスがかかります。
5歳以降の子どものおねしょが続く場合は、家庭内で悩み続けるのではなく、小児科医や専門医に相談してみることが大切だと言えるでしょう。
参考URL
『時事メディカル』
https://medical.jiji.com/topics/3063
『日本夜尿症・尿失禁学会 ガイドライン』
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001330/4/nocturnal_enuresis.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子