感染急拡大中の麻疹注意~ワクチンの接種回数を再確認して~
2024年2月から国内で麻疹(はしか)の感染者数が急げに増加しています。2022年から世界的な流行が始まり、その影響が日本にも及んでいる状況です。
麻疹は感染力が高く、予防するためにはワクチンを接種するしかありません。
そこで今回は、子どもを守るために知っておきたい麻疹の特徴と対策についてご紹介します。
感染経路にも感染力にも注意を
麻疹は麻疹ウイルスによって発症する急性の全身感染症です。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水などの風邪と同じような症状が現れます。
熱が2〜3日続いた後、39度以上の高熱と共に発疹が出現する点が麻疹の大きな特徴です。
この時期が周囲の人に感染する可能性が最も高く、その感染力はインフルエンザの10倍近いとされています。
麻疹のもう1つの特徴は、感染経路です。インフルエンザウイルスやコロナウイルスと異なり、麻疹ウイルスは空気感染する可能性があります。したがって、飛行機などの密な空間には注意が必要です。
もちろん、空気以外にも接触や飛沫などによっても感染します。免疫を持っていない場合は100%感染すると言われているため、予防のためにはワクチン接種が必要です。
2回接種が予防のポイント
日本は平成27年にWHO西太平洋地域事務局から麻疹が排除状態であるという認定を受けていました。しかし、麻疹の免疫を持たない人が海外で感染し、帰国後に発症したり、機内で感染が広がった例はあります。
今回の麻疹の急激な感染拡大の場合は、コロナの影響で子どもへの麻疹ワクチン接種が停滞していたこと。そして、コロナ禍が明けて人の流れが復活したことが影響していると見られています。
麻疹ワクチンは2回接種することで効果を得られるため、現在は1歳になったら1回目を、そして、5~7歳未満で2回目の接種が推奨されています。
しかし、2回接種が定期化されたのは2006年からです。2005年以前に対象年齢だった場合は、大人になってからでも追加接種を受けましょう。
また、2回接種が定期化された後であっても、2回目を接種し忘れているケースもあります。子どもを麻疹から守るためには、子どものワクチン接種だけでなく、親御さんが自身の接種記録を確認することも大切です。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/column4/206
『日本小児科学会』https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_16mashin.fushin.pdf
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子