ゲーム=悪ではない⁉︎良い面と悪い面を知って対策を
子どもたちの生活と切っては切り離せないゲーム。ゲーム依存症や健康への悪影響を恐れて、子どもにゲームをやめるよう声掛けをする保護者の方も多いのではないでしょうか?
しかし、ゲームには子どもの成長にとって悪い面だけではなく、良い面もあります。
そこで今回は、ゲームが人間の脳波に与える影響という視点から、ゲームとの付き合い方について解説します。
オンラインゲームのメリット
慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科の満倉靖恵教授によると、オンラインゲームのプレイ中、人間の脳では集中している脳波が現れるようです。
その結果、オンラインゲームで遊ぶことにより、次のような効果が期待できるとしています。
- ・トランプなどの従来のゲームにくらべて、より集中して、一度にさまざまのことを考える能力が身につく
- ・複数人と同じ目標向かって取り組む、仲間意識を経験できる
- ・リラックス効果が得られることもある
このように、オンラインゲームは適切にプレイすることで、集中して物事に取り組み、多角的な視点で複数人と問題を解決する能力を身につけることにつながると言えるでしょう。
オンラインゲームのデメリット
ゲーム依存症という名前で知られているように、ゲームの最大のデメリットは依存性です。
プレーする時間や頻度をセルフコントロールできなくなり、学業や家族など他に優先すべきことがあるのにゲームに興じてしまうなどの問題が起こります。
また、ゲーム中は脳内でドーパミンやアドレナリンなどの物質の動きが活発になるため、就寝前にゲームをすると、睡眠不足が睡眠の質の低下につながる点にも注意が必要です。
親の不機嫌が子どもに移る?
依存性の高いゲームの頻度を適切にコントロールするためには、どうすればいいのでしょうか?
満倉教授によると、人間の集中力は40〜50分で途切れると言います。
いくら好きなゲームであっても、集中力が途切れたタイミングであれば、休憩も取りやすいかもしれません。
したがって、40〜50分を目安に休憩を促す方法がおすすめです。
また、ゲームに熱中する子どもに対して、保護者の方がイライラしたり怒ったりして「不機嫌」になるのは逆効果と言われています。
「不機嫌」な時の脳波は周りの人に移ることが分かっているため、保護者の方の不機嫌が子どもたちのストレスになり、余計にゲームは逃げてしまう可能性があるのです。
いつも不機嫌になってしまいがちという場合は、「ゲームは良くないもの」と決めつけず、子どもに良い影響を与えることも頭の片隅におきながら、40〜50分を目安に冷静に声を掛けるといいでしょう。
ほかにも、寝る前にゲームをしなくて済むよう、保護者の方が起きている時間に目が届くところでゲームをするというのもおすすめです。
新生活のシーズンだからこそ、改めて子ども達とゲームのルール作りをしてみてはいかがでしょうか?
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/topics/3301
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子