忙しすぎる子ども達⁉︎〜睡眠について考える〜
新年度を迎え、学校での新しい生活や習い事などで疲れを感じている子どもは多いのではないでしょうか?
休日も部活動があったり、毎日遅くまで塾で勉強したりと、スケジュールが過密で睡眠時間を確保できていない子どもは増加傾向にあります。
そこで今回は、忙しすぎる子ども達の現状と睡眠時間への影響についてご紹介します。
約半数の子どもは睡眠時間が足りない
東京大学と理化学研究所では、2022年9月から全国の約5万人の小中高生を対象に睡眠の実態調査を行っています。
そこで、2024年1月までに調査対象のうちの約7700人に対し、専用の機器を用いて睡眠状況を調査したところ、それぞれの年代の平均睡眠時間は以下のような結果となりました。
- ・小学6年生7.90時間
- ・中学3年生7.09時間
- ・高校3年生6.45時間
一方で、厚生労働省が作成している「健康づくりのための睡眠ガイド」によると、各年代の推奨睡眠時間は以下のようになっています。
- ・小学生9〜12時間
- ・中学生8〜10時間
- ・高校生8〜10時間
こうして見ると、子ども達の平均睡眠時間は、推奨される時間よりも短いことが分かります。
実際、今回の調査に参加した子ども達の約半数は、推奨睡眠時間を満たしていないという結果でした。
また、東京都立多摩北部医療センターの小児睡眠障害外来では、近年患者数が増加傾向を示しており、子ども達の睡眠不足が深刻化している状況です。
過密なスケジュールやスクリーンタイムが睡眠に影響
子ども達の睡眠不足の背景には、塾や部活動、習い事などによる多忙化や、スマートフォンなどの電子機器の使用が関係していると考えられています。
成長期の睡眠不足は心身の発達にも大きく影響を与える可能性があり、生活リズムが崩れることで不登校につながるケースも少なくありません。
一部の学校では、お昼休み後に「お昼寝タイム」を設けたり、授業で睡眠の大切さを教える「眠育」を取り入れたりと、子ども達の睡眠不足を改善するための対策を行っています。
しかし、いくら学校側が対策をしても、家庭での睡眠時間が短いままでは意味がありません。
子どもの未来のために、今できることをして欲しい、させてあげたいという気持ちはもちろん大切ですが、子どもの健康を損なうような過密なスケジュールになっていないか改めて確認することも大切だと言えるでしょう。
参考URL
『ヨミドクター』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20240416-OYT1T50098/?catname=haishin_shakai
『理化学研究所』
https://www.riken.jp/pr/news/2024/20240318_1/index.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子