思春期に発症しやすい!?皮膚むしり症とは
子どもの皮膚は大人よりも薄くて敏感であるため、何気ない刺激でも痒みや発疹などが起こりやすい傾向があります。幼少期の皮膚疾患は、刺激やアレルギーが原因となることが多い一方、思春期の皮膚トラブルはストレスなど精神的な理由により引き起こされることもあります。
そこで今回は、思春期に発症しやすいとされる「皮膚むしり症」についてご紹介します。
エスカレートする症状に注意
皮膚むしり症は、無意識に皮膚をむしる行為を特徴とする精神的な疾患です。この病気は、思春期に発症することが多く、額のニキビをつぶすことから始まり、徐々にむしる行為が止められなくなるケースもあります。
その結果、出血や傷が目立つようになり、他人の目を避けるほどになることもあります。うつ病や不安症など、他の精神疾患を併発することもあり、傷を気にするあまり学校や会社に行けなくなったり、引きこもったりする可能性も少なくありません。
さらに、傷口が化膿して感染症を引き起こす可能性もあり、重症の場合は自殺に至るケースも報告されているため、「皮膚が痒いだけ」と軽視せず、症状の変化に注意が必要です。
皮膚むしり症の原因と治療法
皮膚むしり症の原因としては、遺伝的要因や不安、退屈感がきっかけとなる環境的要因、そして、脳の神経回路の異常が関与していると考えられています。
治療法としては、抗うつ薬を用いた薬物療法や認知行動療法が効果的です。特に、むしる行為を意識し、コントロールする力を身につける「習慣逆転療法(HRT)」は、有効な治療法とされています。
皮膚むしり症の患者は、皮膚をむしることで一時的に緊張感や不安を和らげることがあり、その行為が習慣化してしまいます。皮膚むしり症の症状が生活に支障をきたす場合や、1ヶ月以上消えない傷が目立つような場合は、皮膚科だけでなく精神科にも相談することが大切です。
参考URL
『時事メディカル』
https://medical.jiji.com/topics/3489
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子