子どもの虫歯は減少傾向⁉︎乳児期から始める予防ケアとは
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近年は子どもの肥満や近視などが増加傾向にあり、子どもの健康に不安を抱く保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、生活様式の変化により、ひと昔前とは違った子どもの健康トラブルが増えていますが、一方で、適切な対策と病識の周知により、減少傾向にある病気もあります。
そこで今回は、虫歯の罹患率の変化と予防ケアの大切さについてご紹介します。
虫歯の子どもの割合は過去最小に
文部科学省では、1984年度から全国の幼稚園と小中高を対象に、虫歯のある子どもの割合を調査しています。
今年度は、約319万人の幼稚園児と児童生徒を対象に実施したところ、虫歯のある子どもの割合は、幼稚園で20.74%、小学校で32.89%、中学校で26.50%、高校で34.70%となり、全年齢で前年度より減少するという結果になりました。
およそ10年前にあたる平成25年度には、小学校と高校の虫歯の子どもの割合が55%近くであったことを踏まえると、罹患率の低下は目覚ましいと言えます。
さらに、今年度は幼稚園と小中高のいずれの年齢でも、虫歯の割合が過去最少を記録しており、園や学校での歯磨き指導などが効果を挙げたと考えられます。
乳歯の虫歯も放置してはいけない
子どもの虫歯は進行スピードが速く、気付いた時には重症化していることも少なくありません。ただ、以前は「乳歯は虫歯になってもいずれ抜けるから放っていても大丈夫だろう」という風潮があり、積極的に子どもの虫歯治療をしているご家庭の割合は限られていました。
しかし、乳歯の虫歯を放置していると、痛みや腫れが現れるだけでなく、後から生えてくる永久歯の発育にも影響を与える可能性があります。したがって、最近では乳歯の虫歯こそ治療が必要であり、歯が生え始めた赤ちゃんの頃から虫歯予防のためのケアが大切であるという話が周知されつつあります。
乳児健診や保育園などでも取り挙げられることが多く、地方自治体による1歳6ヵ月と3歳児を対象とした歯科健診でも、子どもの虫歯ケアをフォローアップしています。
そして、こうした積極的な予防ケアの徹底と意識の高まりが、子どもの虫歯罹患率の低下に寄与したと考えられるため、子どものお口の健康を守るためにも予防ケアを継続的に行いましょう。
参考URL
『時事メディカル』https://medical.jiji.com/news/59905
『文部科学省』https://www.mext.go.jp/content/20241127-mxt_chousa02-000038854_1.pdf
MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子