スクスク親子お悩み相談02
このコーナーでは、鈴木先生が心理カウンセラー、スクールカウンセラーの経験から、お母さんや子どもたちの悩みにお答えします。学校でのこと、心配ごとや悩みごとはありませんか?
「学校で『無視』を呼びかける手紙が回ってきます。」
クラスの人間関係を踏まえた上で、適切な対処を
高学年ともなると女子の人間関係が複雑化し、ご相談の件のように様々な問題が起きがちです。中には担任の先生に相談することで解決に向かうケースもありますが、逆に波紋を拡げ、問題を悪化させてしまうということも考えられます。
そこまで想定した上で、先生への相談については考えましょう。いじめへの対応として重要なのは、女子のグループやクラスの人間関係をしっかりと把握することです。
そこで形成されている関係によって、アプローチの方法も変わってきます。
例えばクラス全体が不健康な集団で、「無視」などがその結果として起きる問題であるならば、個々のいじめへの対応だけではなく、集団(クラス)の健全化にも取り組むことが必要です。次に、深刻ないじめかどうかの基本的な判断基準についてお伝えします。子どもが不登校に追い込まれたり、深刻なダメージを受けたりするのは次のようなケースです。
①一方的にやられ続けている場合
②一対集団という構図になっている場合
一緒にいられる仲間がいたり、本人もやり返す余地があったりすればまだしも、①②のケースでは、クラスに居場所を失い、子どもは完全に追い詰められ、学校に行けなくなってしまう場合が多いのです。この両者は完全に「いじめ」と捉えて対策を講じるべきでしょう。
いじめの解決で重要なのは、いじめを受ける子のケアと、いじめを行う子のケア、集団の健全化の3つです。いじめを行う子もまた、そのほとんどが心に何らかのダメージを負っています。
いじめを受けた子には告白を迫り、いじめを行った子どもには厳しい指導、その他の子にはいじめ調査をするといったような従来の対応では、いじめはさらに水面下に潜航し、解決がますます困難になってしまいます。
いじめをする側、される側、全ての子に目を向けて解決を図ることが大切です。
心理カウンセラー。東京港区で小学校のスクールカウンセラーを3校歴任。現在は子育ての悩みなどの教育相談、子どものカウンセリング、子育て勉強会・ワークショップなどを実施。高校生と中学生の2児の父親でもある。趣味はキャンプ・ジョギング。
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