もしかしたら風邪かも!こんな時、医者にかかるべき?
こんにちは!薬剤師の笹尾です。
子供が風邪にかかった時にすぐに病院に連れていくべきか迷う人は多いと思います。
しかし、必ずしもすぐに病院に行けば治るわけではなく、無理に連れて行くことで症状を悪化させることもあります。
そこで今回は、子供の風邪で受診した方が良い場合と、すぐに行く必要がない場合についてお話していきます。
風邪とは一体どんな病気なの?
お子さんが風邪をひくと「大変だ!」と焦って病院に駆け込む親御さんは少なくありません。しかし、必ずしも病院に行かないと治らない病気ではないのです。
そもそも「風邪」は主にウイルス感染を原因とする「かぜ症候群」のことで、主に鼻水・のどの痛み・咳・微熱といった症状が現れます。
小さいお子さんが熱を出したり、咳き込んでいるととても心配になるものですが、自然治癒でも安静にしていれば、1週間程度で治ることも多くあります。
病院で薬をもらっても風邪はすぐ治らない?!
病院に行って診てもらうのはお薬のためという親御さんも多いでしょう。
病院でもらうお薬の多くは、鼻水を抑える薬、たんや鼻づまりを改善する薬、咳止めや解熱剤が中心です。これらは症状を抑えるための「対症療法」であり、根本的に風邪を治している訳ではありません。
ただし、苦しそうな咳や鼻づまりで眠れないような場合にはお薬を飲んだ方が楽になります。
例えば、夜間で急に病院にかかれない時などは市販薬の咳止めや鼻水を止める薬を使って様子を見ても良いでしょう。
数日飲んでも改善しない場合は病院の薬をもらった方が治りが良いこともあります。
また、以前は抗生物質が風邪の時にも積極的に処方されていました。
しかし最近では、風邪はウイルス疾患であり抗生物質を使用するメリットが少ないこと、耐性菌が増えている問題などがあり処方されることが減ってきています。
ここで注意しなければいけないのは、細菌感染が疑われる場合です。
細菌感染の場合には抗生物質を服用すべきであり、長引く風邪はお医者さんに一度相談しましょう。
これってインフルエンザ?高い熱が出たときの受診の目安は?
軽い咳や鼻水程度であればすぐに受診する必要はありませんが、発熱がある場合には慎重に判断したいところです。
例えば、38℃以上の高熱が3日以上に渡り続く場合です。長引く高熱は風邪のウイルスとは異なるウイルス感染の可能性も考えられるため、受診しましょう。
特に、インフルエンザの場合には急激に高熱が出ることが多いです。 インフルエンザは発症後48時間以内に専用のお薬を使った方が回復が早まるため、なるべく早めに受診することが大事です。
インフルエンザと風邪の見分け方は難しいですが、風邪が鼻水・のどの痛み・咳・微熱といった部分的な症状なのに対し、インフルエンザは高熱以外にも関節痛や筋肉痛のような全身的な症状が特徴です。
人によっては吐き気や腹痛、めまいなどの症状が出ることもあります。
しかし、症状だけで判断することは難しく、周りで流行しているかも参考にして判断すると良いでしょう。
確定診断には病院での検査が必要です。
解熱剤は必ずしも必要とは限らない
発熱は悪いものと思われがちですが、そもそもウイルスや細菌を抑え込むために脳が指令を出した結果の防衛反応です。
熱を出すことで早く治るので、むやみに解熱剤を使うと長引かせてしまうこともあります。
しかし、高熱が続くと脱水症状を起こすこともあるため、ぐったりしている場合や長引いている場合には解熱剤を使う方が良いこともあります。
意識があるかどうか、痙攣の有無を確認
「高熱がある=受診しなければいけない」と思いがちですが、高熱だけで急いで受診を判断するのは間違っています。
まず、大事なのは意識がはっきりあるかどうかです。
高熱があっても意識がはっきりある場合、目線がしっかり合う、周りにも反応する場合には急いで受診するまでの状態ではありません。
少し休ませてあげて、頭を冷やすなどのケアを行ってあげて様子をみながら受診を判断しましょう。
こんな時は早めの受診がおすすめです
3ヶ月未満のお子さんの場合には発熱した段階で迷わずに医療機関を受診するようにしましょう。
また、高熱が出ている時で、吐いたり、頭痛などの症状がある場合には早めに受診した方が安心です。
急激に熱が上がった時にはインフルエンザという可能性もあります。専用の治療薬を使った方が治りが早くなるため、疑わしい時は積極的に受診するようにしましょう。
逆に、高熱が出ていなくても受診した方が良い場合もあります。
周りの呼びかけに対する反応が悪い、顔色が青白い、痙攣している、おしっこがほとんど出ない、水を飲めない状態などの場合には脱水症状などが疑われます。
なるべく早く病院を受診することをおすすめします。
子供の様子を見ながら受診すべきか判断しよう
子供が風邪をひいた時には、焦って病院に連れていこうと思ってしまいがちです。
しかし、具合が悪い時に病院で長時間待たされて疲れてしまったり、他の人から新たな病気をうつされてしまうリスクもあります。
お子さんの状態を良く観察して、受診すべきタイミングを考えた上で医療機関を受診しましょう。
参考資料:東京医科大学茨城医療センター
- 薬剤師:笹尾真波
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