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離乳食開始時期と睡眠の関係性

現在日本では一般的に5〜6ヶ月から開始されている離乳食ですが、時代や国でも考え方が様々であり、特に食物アレルギーに関しては明確に正しい開始時期が分からず、未だ研究が重ねられています。

そんな中、イギリスの大規模研究により離乳食の早期導入が乳児の睡眠を改善させるという興味深い結果が報告されました。

早期導入群では夜間の覚醒が減少

今回報告されたEnquiring About Tolerance (EAT)試験では、英国とウェールズに在住の生後3カ月の乳児1,303人を早期離乳食開始群と標準開始群に分けて、1、3歳それぞれにおける食物アレルギーの発症率を検証。更に二次的な評価項目として夜間の睡眠時間と覚醒頻度を検証しました。

早期離乳食開始群ではアレルギーを起こしやすい6つの食べ物(ピーナツ、鶏卵、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦)を含む離乳食を生後3か月から開始し、標準開始群では6ヶ月からの開始としました。

その結果、食物アレルギーの発症率に関しては両群に有意な差は生まれませんでしたが、夜間睡眠時間に関しては早期導入群において有意に長く眠り、覚醒率も低いという結果になったのです。

離乳食の早期導入が乳児と家族のQOL向上につながる可能性

今回の研究における睡眠時間の延長は、1日あたり約16分と僅かな差ではありましたが、意外にもその僅かな差によって家族にとっての睡眠に関する深刻な問題が半分に減っていた事も報告されました。

つまり、乳児の睡眠時間が長くなり夜間覚醒が減ったことで家族の負担が軽減され、QOLが向上したと考えられます。

なお、今回の結果は海外の研究によるものであり、日本の厚生労働省が勧める離乳食ガイドラインでは生後5〜6ヶ月からの導入を推奨しているため一概に日本のこどもたちに当てはまるとは言えません。

しかし、現在同ガイドは改訂中であり、2019年に改訂版が発表される予定となっています。今後改訂版で離乳食開始時期に関する情報にも更新が加えられるかどうか注目が集まります。

参考URL

「厚生労働省 授乳離乳の支援ガイド」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17.pdf

「母子健康協会」https://medical-tribune.co.jp/rensai/2018/1204517235/

記事:2018年12月4日


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