子連れ出勤は現実的か!?~理想と現実の葛藤~
政府が平成31年1月15日に「子連れ出勤」を後押しする考えを表明しました。
少子化対策の重要な課題として自治体の交付金の補助率を引き上げるなど積極的な姿勢を見せていますが、実際に子育て中の親御さんからは厳しい声が聞かれています。
子連れ出勤の問題点~母親まかせ~
子連れ出勤とは、その名の通り「保育園の空きがない」「病気になってしまい登園できない」といった子どもの預け場所に悩む両親が、職場に子どもを連れて出勤することを指します。
本来であれば、両親が使える制度であるため、父親が子連れ出勤をしても構わないはずですが、宮腰少子化担当相が発言した「乳幼児は母親と一緒にいることが何よりも大事ではないかと思う」という言葉からも分かるように、子連れ出勤自体が母親を想定しているという点が大きな問題として挙がっています。
子連れ出勤の問題点~保育環境~
実は保育園など乳幼児が通う保育施設は、さまざまな法律で安全を確保するように基準が定められています。しかし、実際の職場はどうでしょうか?子ども達は気になるものがあれば何でも手を出したり口に入れたりするため、大人が働くための職場には危険も多く潜んでいます。
また、親と一緒にいられることは子どもにとって非常に幸せなことですが、実際に子どもを連れて働く親にとっては「周囲に迷惑をかけないか心配で仕事に集中できない」「そばにいても遊んであげられない」など葛藤が多いのも事実です。
環境整備と他の子育て支援も必要
問題点も多く挙げられましたが、子連れ出勤導入に伴い、職場改善を行っている企業も存在します。大手住宅メーカーのタマホームでは、オフィス内にキッズスペースを設けておもちゃなどを用意し、親の負担を軽減するために社員全員で子どもに声掛けをするなどといった取り組みを始めています。
子連れ出勤制度自体はまだまだ問題が山積みですが、しっかりと環境が整備されて導入される企業が増えれば、待機児童問題だけでなく労働力不足の問題も解消できる可能性を秘めています。しかし一方で、政府には子連れ出勤頼みにせず、根本的な子育て支援に取り組んでもらうことが切に望まれます。
参考URL
『朝日新聞デジタル』
https://www.asahi.com/articles/SDI201902079939.html?iref=pc_ss_date
『excite ニュース』https://www.excite.co.jp/news/article/Jcast_kaisha_327004/?p=2
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子