風疹感染拡大に注意!ワクチン接種歴の確認を
最近急激に感染が拡大し、国からも注意喚起とワクチン接種が推奨されている『風疹』。
そんな中、2019年1月下旬に埼玉県で生まれた男の子が、国内では2014年以来初めて先天性風疹症候群と診断されました。
先天性風疹症候群とは
風疹とは感染から14~21日(平均16~18日)の潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とする症状を呈するウイルス性発疹症の事を指します。
通常は数日で治癒する予後良好な疾患ですが、最も注意すべきは免疫のない妊娠初期の女性の感染です。特に妊娠20週までの妊婦が風疹に罹患すると、風疹ウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風疹症候群 (CRS)と総称される障がいを引き起こすことがあると言われています。
先天性風疹症候群 (CRS)CRSの主な症状としては先天性心疾患、難聴、白内障であり、特に難聴は高度難聴を伴う可能性が高いです。また、場合によっては亡くなるケースも存在しています。
ワクチン未接種の背景とその影響
日本では1977年から女子中学生に対してワクチン定期接種が始まりました。
その後の法改正により、1995年4月から正式に生後12~90カ月未満の男女に風疹ワクチンが接種されることとなり、同時に以前に風疹ワクチンを受けたことがない人も経過措置として接種対象者とされました。
しかしながら、この経過措置も充分ではなく、数年ごとに男性患者を中心とした急激な風疹感染拡大が見られていました。
国立感染症研究所によると、2018年に報告された風疹の患者数は2917人に上っています。
さらなる感染拡大を防ぐために、厚生労働省は2022年3月31日までの間に限り、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性を風疹に係る定期の予防接種の対象者として追加することを発表しました。
上記に当てはまらない方も、自分だけではなく、周囲の人への感染や新しい命への影響を考えて、まずは自分の接種歴を確認したり、健診の機会などに抗体の検査を受けてみましょう。
参考文献
『国立感染症研究所』http://idsc.nih.go.jp/disease/rubella/rubella.html
『YomiDr.』https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190201-OYTET50000/?catname=news-kaisetsu_news
記事:2019年2月1日
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子