子どもたちは特に注意を!手足口病の症状と対策
今月に入り急激に患者数が増加しているため、テレビなどでもたびたび取りあげられている『手足口病』。子どもがかかりやすく、感染する病気であるため、保育園や小学校などでの拡大が心配されています。
そこで今回は手足口病の原因や症状、かからないようにするための対策についてご紹介します。
手足口病とは?
その名の通り、口腔粘膜や手足などに現れる水疱性の発疹を主症状とする急性ウイルス感染症です。子どもを中心に感染しますが、まれに大人も感染するため油断は禁物です。
手足口病の原因である2種類のウイルスが高温多湿の環境を好むため、感染は夏場にピークを迎えます。
臨床症状としては3~5日程度の潜伏期間を経て、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹=水ぶくれが現れます。1/3の確率で発熱を伴いますが、そのほとんどが38度以下と軽度であると言われています。
治療方法や注意点
手足口病に効く抗ウイルス薬は存在しないため、かかった場合は解熱鎮痛薬により熱を下げたり、発疹の痛みを抑えるといった対症療法がメインになります。多くの場合は1週間程度で治癒しますが、まれに脳炎や髄膜炎といった重症の合併症を引き起こす場合もありますので、「熱が下がらない」「嘔吐」といった症状がみられた場合は直ちに医療機関を受診しましょう。
また、手足口病は複数のウイルスが原因で引き起こされるため、インフルエンザのように1シーズンで複数回罹患する可能性もあり、注意が必要です。
具体的な感染対策は?
手足口病は、くしゃみなどによる「飛沫感染」と、手などが触れることによる「接触感染」が主な感染経路です。また、治った後でも2~4週間程度は口や便などからウイルスが排せつされています。
そのため、感染対策としては何よりも手指消毒とマスクが重要です。特に子ども達は知らない間におもちゃを触ったり口に入れたりするので、除菌シートやスプレーなども活用してこまめに消毒を行う必要があります。
感染症は移さない・移されないことが非常に重要です。これから夏本番を迎える今の時期からしっかりと対策を行って、感染の拡大を予防しましょう。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0619520491/
『国立感染症研究所』https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/hfmd/392-encyclopedia/441-hfmd.html
『SARAYA』https://family.saraya.com/kansen/teashikuchibyo/index.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子