子どもの睡眠障害に注意〜いびきをチェックして〜
「寝る子は育つ」と言うように、睡眠は子どもの成長にとって非常に重要な生活習慣です。しかし、最近では子どもの睡眠障害と発達の関係について国内外で様々な報告がなされるほど、子ども達の睡眠に関わる問題が増えてきています。
そこで、今回は子どもの睡眠障害の主な原因と対策、治療などについてご紹介します。
睡眠障害とは?定義と原因
睡眠障害とは、様々な理由により眠りが浅い、うまく入眠できない、または眠りすぎてしまうなど適切な睡眠をとることが出来ない状態を指します。
精神的な理由で眠れないというケースもありますが、身体的な疾患が原因で適切な呼吸が行えずに睡眠の質が低下するというケースも多いです。
最近よく耳にする「睡眠時無呼吸症候群」もその1つですが、実は大人の病気ではなく、子どもの睡眠障害の原因にもなっています。
他にも、寝ている時に手足がムズムズする「レストレスレッグス症候群」も子どもの睡眠障害の原因の2~3%を占めています。
睡眠障害による影響
大人の場合は睡眠不足になると昼間に眠気を訴えますが、子どもの場合は基本的な睡眠の質が高いため、昼間に眠気を訴えることは少なく、睡眠障害を見逃してしまうことが多いです。
しかしながら、睡眠障害による睡眠不足を放置してしまうと、イライラして集中力が続かないといったADHD(注意欠陥・多動性障害)と同様の症状が出てしまいます。
また、海外の研究によれば、幼少期のいびきの程度が大きい子どもの場合、その後の学業の成績が良くないという結果も出ており、睡眠の質の指標としていびきが重要であると考えられています。
睡眠時無呼吸症候群は治療可能
子どもの睡眠障害の代表的な原因である睡眠時無呼吸症候群は喉の奥にあるアデノイドというリンパ組織と扁桃の肥大が原因であるため、手術で切除すれば睡眠が改善し、子どもの行動にも落ち着きが出て攻撃性が減ると考えられています。
もし、子どもが週の半分はいびきをかいて寝ている場合は、睡眠時無呼吸症候群を原因とする睡眠障害に陥っている可能性があるため、寝ている様子をビデオで撮るなどして小児科医への相談を検討してみるのも良いでしょう。
参考URL
『朝日新聞デジタル』
https://www.asahi.com/articles/ASM6S4K3KM6SPLBJ005.html?iref=pc_ss_date
『サワイ健康推進課』https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/illness/201606.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子