災害時こそ注意!知っておきたいアレルギー疾患の災害対応
9月初頭に上陸した台風15号の影響は大きく、特に甚大な被害を被った地域では、2週間以上経過した今でも以前の生活に戻れていない方が大勢いらっしゃいます。
こうした災害時に最も影響を受けてしまうのが、病気を持った人達でしょう。特に、身体的にも弱者である子どもで、かつアレルギー疾患を罹患している場合は、慣れない避難所生活により病状が悪化してしまうケースも見受けられます。
そこで、今回は千葉大学病院がHP上で掲載を始めて注目されている『アレルギーポータルサイト もしもの時に』についてご紹介します。
避難所だけでなく自宅でも注意が必要
『もしもの時に』の中では避難所における生活上の注意点など、災害時のアレルギー疾患の対応方法をまとめています。
例えば、「卵や小麦粉といった食物アレルギーを持つ子どもがいる場合は、行政担当者に知らせてアレルギー対応食の支援を受ける」、「アトピー性皮膚炎など肌を清潔に保つ必要がある子どもには優先的に水やシャワーを使わせる」といった注意書きがまとめられています。
こうした対応策は集団生活をする避難所ではもちろんのこと、普段通りの生活ができない場合は自宅避難においても当てはまります。
「いつもなら大丈夫」という意識は危険
特に子どもにとって、災害時は予想以上に大きなストレスがかかっています。
そのため、通常ならば平気なことにも敏感に反応してしまい、病気が悪化してしまうことも考えられます。
「いつもならこれくらいは平気」と考えずに、普段から災害時の対応をシュミレーションしておく必要があると言えるでしょう。
災害医療派遣スタッフ向けのマニュアルも
一般の方向け以外に、災害医療派遣スタッフ向けにも日本小児アレルギー学会から対応マニュアルが発表されています。
もちろん、1番子どものことを理解している家族がアレルギー対策について考えておくことは必要ですが、災害時は助け合いが求められます。子どものアレルギー疾患が悪化することがないように、不安な時や物資が必要な時はしっかりと声をあげて、行政担当者や医療派遣スタッフに協力を求めましょう。
最後に今回の台風15号により被害を受けた方々に心からお見舞い申し上げます。
参考URL
『朝日新聞デジタル』https://www.asahi.com/sp/articles/ASM9H01DTM9GUDCB02Y.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子