川崎病の患者数が過去最高に〜川崎病ってどんな病気?〜
2019年9月26日に発表された「第25回川崎病全国調査」によると、2018年の患者数が1970年の調査開始以来過去最高の1万7364人を記録したことが分かりました。
子どもがかかる病気というイメージの川崎病ですが、実は詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、川崎病の定義や症状、治療経過などについて分かりやすくご紹介します。
川崎病の原因は未だ不明
川崎病はウイルスや細菌の感染をきっかけにそれを防ごうとする免疫反応が起こった結果、全身の血管に炎症が起こるために発症するのではないかと考えられていますが、実はその原因は未だ解明されていません。
5歳以下の子どもによく見られ、男子の方が女子の1.3程度多く発病すると言われています。
また、川崎病自体は治療を行えば治癒するものの、まれに合併症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
発熱が数日続いた場合は要注意を
以下のような代表的な症状が出揃う10日間程度を急性期と呼びますが、この頃に全身の炎症を抑える治療を行うことが合併症の発症を予防する大切なポイントになります。
特に、血管が炎症を起こすことで心臓の大切な血管に瘤が出来てしまい、冠動脈瘤と呼ばれる合併症を引き起こす可能性もあるため、なるべく早く初期治療を行うことが必要です。
- ・38度以上の高熱が5日以上続く
- ・発疹(BCGの跡が赤く腫れることも)
- ・両方の白目の充血
- ・唇や舌が腫れる
- ・手足が赤く腫れる(初期)
- ・手足の指先の皮膚がむける(解熱後)
- ・片側の首のリンパ節が腫れる
退院後も定期検査を
川崎病の治療自体は、入院管理のもとでアスピリンや免疫グロブリン製剤という薬を使用すれば1週間程度で回復します。
発症後1か月・1年・5年後を目安とした定期検査を受けることが求められますが、合併症がなければ日常生活にはなんの問題もありません。
一方で、心臓などに合併症が出た場合は担当医の方針に従って治療を継続します。
珍しい病気と思われがちの川崎病ですが、原因が不明ということは誰でも発病するリスクがあるということになります。
なるべく早く症状に気が付いて適切な時期に初期治療を受けるためにも、川崎病の基本的な情報については覚えておくと良いでしょう。
川崎富作博士がこの病気を見つけたので世界的に『川崎病』と呼ばれています。
一時小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群とも言われていました。
参考URL
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0930521652/
『日本血液製剤機構』https://www.jbpo.or.jp/kd/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子