インフルエンザの新しい治療薬、12歳未満は慎重に
涼しい季節がやってくると心配なのが「インフルエンザ」。
老若男女問わずに流行して学校や園などを閉鎖に追い込むなど、毎年社会に深刻な影響を与えるやっかいな感染症ですね。
そんなインフルエンザの新しい治療薬として昨年注目を浴びた、新薬「ゾフルーザ」の小児に対する投与に関する提言が日本感染症学会から発表されました。
そもそもインフルエンザとは?
インフルエンザはその名の通りインフルエンザウイルスを原因とする感染症であり、日本では例年12~3月頃に流行して短期間で多数の人に感染します。
大きく分けてABCの3つのタイプがあり、その中でも人に感染するのはAとB型ですが、流行の比率は年によって異なるため予測は難しく、一度感染しても型の違うウイルスに再感染する恐れもあるため注意が必要です。
症状としては咳やのどの痛みといった呼吸器の症状と共に、高熱や全身の倦怠感が挙げられます。
インフルエンザの治療法は?
インフルエンザは一般的な風邪と比べると、38度以上の高熱や頭痛、関節痛や倦怠感といった症状が急速に、かつ同時に現れるという特徴があります。
そのため、インフルエンザと診断された場合は、抗インフルエンザウイルス薬を服用して体内のウイルス増殖を抑制し、出来るだけ早く症状を緩和させることが重要です。
特に体力の少ない小児や高齢者は、まれに重症な合併症を引き起こしてしまう可能性もあるため、出来るだけ早い段階で薬を服用する必要があると言えます。
新しい治療薬の特徴
新薬である「ゾフルーザ」は効果が期待された一方で、耐性ウイルスが相次いで出現したとして投与に関する様々な意見が出ていました。
また、12歳未満への小児に対する使用経験が乏しいため、実際に幼い子どもへの処方をどうするべきなのか分からないという現場の声を受けて、今回日本感染症学会より「12歳未満にゾフルーザを投与する場合は慎重に」という提言が発表されました。
今後は医療現場においても提言に基づいた処方がされることが予想されますが、特に12歳未満のお子さんがいる方はチェックしておいても良いかもしれません。
参考URL
『日本小児科学会』http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/2019-2020_influenza_all.pdf
『朝日新聞デジタル』
https://www.asahi.com/articles/ASMBK3402MBKUBQU001.html?iref=pc_ss_date
『日本感染症学会』http://www.kansensho.or.jp/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子