ω-3脂肪酸の摂取とADHDの関係とは!?
学齢期の子どもの約3〜7%に見られると言われているADHD(注意欠陥多動性障害)は、実は決して珍しい病気ではありません。
その一方で、診断自体が難しかったり、治療方法に限りがあるなどの問題点を抱えている病気でもあります。
そんな中イギリスの研究により、ω脂肪酸の一種であるEPA(イコサペント酸)を摂取することで、ADHD症状の改善が期待できるという事が明らかになりました。
ADHDってどんな病気?
ADHDとは、集中力がなくてじっとしていられないといったような症状がみられる発達障害の1つです。
世間的にも認識が広まっているため、最近では動き回って集中力がない子どもを見ると、「ADHDではないか?」と不安に感じる親御さんも少なくないでしょう。
ADHDは発達障害ではありますが、治療自体は可能な疾患です。
一方で、鑑別診断が難しく、治療薬を処方できる医師が限られているため、病気として治療を開始するまでに時間がかかる疾患であると言えます。
EPAの摂取で注意力や覚醒度が改善
今回の研究では、台湾の6~18歳のADHD児103人を、1:1の割合でグループ分けし、12週間EPAのサプリメントを摂取したω-3群と非摂取群における注意力の変化について検討しました。
その結果、ω-3群では非摂取群に比べて注意力に改善みられ、特にもともと血中のEPA濃度が低かった子ども達ほど、注意力や覚醒度が改善するということが明らかになりました。
また、EPAサプリメント摂取による注意力・覚醒度の改善効果は、ADHDの薬物療法とほぼ同等であるといった結果も報告されています。
EPAサプリを服用する前に、まずは医師に相談を
今回の研究により、ω-3脂肪酸欠乏症の場合はEPAサプリの摂取によって、ADHD症状の改善みられるという事が分かりました。
しかし、だからと言ってむやみやたらにサプリを摂取させるべきではありません。
EPAを含む魚類を摂取することは健康にも良いとされているため、食生活を改善して積極的に摂取することは非常に良いことですが、ADHD症状が気になる場合は、まずは医師に相談することから始めましょう。
スクスクニュースの過去記事も合わせてご覧ください。
小児ADHD、海外に比べ国内処方率の低さが判明
https://www.suku-noppo.jp/headline/20180907参考URL
『つだ小児科』https://www.tsudashonika.com/disease-cat/dd/adhd/
『メディカルトリビューン』https://medical-tribune.co.jp/news/2019/1202522641/
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子